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SOLILOQUY

ひとりごと

 
August 10, 2010 22:02:15

別れ

カテゴリー: 日記
昨日、久しぶりの出会いがあった。一人は私のほうから訪ねて行った東京の百貨店にも出店しているチョコレート屋さんの社長…チョコレート屋さんなのに先代のときから時計・メガネの店を経営していて、さらに個人的に税理士さんもしている。少し変わった人だ。この度は新しいメガネを買い求めることと、以前購入したお気に入りのメガネのフレームが壊れたので修理依頼を兼ねて出かけた。私より十ほど年上の社長は普段あまりメガネ店に姿をみせない。携帯に電話して出てきてもらい話をした。3年振り…短時間だが楽しかった。そしてもう一人は…店を出て帰り道、繁華街を歩いていて、突然名前を呼ばれた。17年振りに出会う高校の同級生だった。おとなしそうに見えて結構積極的…学校卒業後イタリアンジェラートの店で成功し(ハーゲンダッツやホブソンズなんてまだ無かった)店も順調に増やしていた頃、山道をイタリアのスポーツカーで走っていてカーブで曲がりきれず、ガードレールに激突し車は大破…、助手席に座っていた女性は即死したと聞くが、本人に確かめたことは無い。その後事業は一進一退…、地震の影響もありアイスクリーム屋から足を洗い、今は震災後芦屋ではじめたガールズバーを一軒だけ経営している。“ガールズバー”がどんな営業形態か分からず聞いてみた。カウンターのなかのバーテンさんが若い女性ということで、入店しただけでセット料金が加算されると説明を受けた。「うちは、そんなに高くないよ!」と続いた。
彼は、ある同級生の所在をたずねてきた。高校の時はバスケット部のキャプテン…身長は高く、胸板も厚く、顔も良く、頭も良い。私の記憶ではとてもスマートな男だった。その後時代はバブルへと進み、一時は時流に乗って芦屋山の手の億ションに一人で住み、人が羨むセレブな生活をしていたと聞く。バブルがはじけ…、全てが逆回転をはじめその後どうなったのか噂も聞かなくなり20年…、昨日出会った同級生はバブルではじけた友人の金融債務の保証人になっていたらしく、本人は黙って自己破産して姿をくらまし、第二順位の保証人である本人の兄はすでに死亡しており、結局肩代わりの返済を続ける羽目になったとのこと…、よくある話と言えばよくある話…。人生には深い落とし穴が用意されることがある。

私は、この日同級生に二度嘘をつくことになる。一つは「近いうちに店に寄るよ。」もう一つは「捜している同級生の噂を聞いたら、すぐに連絡するよ。」
“ガールズバー”のような営業スマイルのお店は苦手だ。そして同級生同士の醜聞に関わりたくもない。
17年ぶりの出会いは、少し重苦しい空気のなかで…別れとなった。