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SOLILOQUY

ひとりごと

 
August 04, 2010 20:24:24

報せ

カテゴリー: 日記
私の子供の頃、まだテレビにカラー放送が無かった頃、アメリカの連続テレビドラマで“ベン・ケーシー”という医師が主人公のドラマがあった。黒板に白チョークで♂♀誕生(八角形の対角線)†(死亡を意味する十字架)∞という五つの記号を描くところから番組は始まる。ドラマの内容は一切覚えていないが、その記号のくだりだけはくっきり記憶に焼きついている。
昨日の昼、私は一人で総合病院の手術待合室にいた。執刀医から無事手術が終わったと知らされ、手術室の前で出てくるベッドを待っていると、赤ちゃんの泣き声が聞こえたので、その方向に目をやった。通路の先20m程向こうに産科病棟があり、多くの新生児とその母親、そして親族が誕生の喜びを分かつ姿が想像できた。また私の目の前にはTELEPHONEという看板が掲げてありその下には、おそらく以前は公衆電話が5台は並んでいただろう、今は何も置かれていない長いカウンターが見える。多くの人がここから誕生の報せ、そして死亡の報せを送ったに違いない。時代が変わった今でも携帯電話でこのフロアーから喜びと悲しみが発信されていることが想像できる。人生のなかの最大のドラマ…誕生と死亡が繰り広げられる総合病院には子供の頃に見たあのドラマのようにいくつもの人間のドラマがある。

私は、“安心せよ”とのメッセージを送ることができたことに感謝した。