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SOLILOQUY

ひとりごと

 
June 18, 2011 14:15:00

一夜

カテゴリー: 日記
昨晩のリサイタルは盛況だった。聴衆は250名弱というところ…、クラッシックギターという地味な楽器のリサイタルでは200名集まれば成功と聞いていたので、まずまずと言える結果に違いない。肝心の先生の演奏はと言うと、さすが私が選んだ先生だけのことはあり本番では実に素晴らしい演奏を聞かせていただいた。リハーサルの時の緊張が嘘のような堂々たる演奏であった。演奏の最終演目“セビーリャ”が終わり拍手が鳴り止まない。私は席を立って、最後列に向かった。そぉ、マネージャーに「アンコールになるまでは、絶対写真を撮ってはダメよ!」という封印が解けたのだから・・・、私は移動しつつシャッターを押し続けた。聴衆と先生の関係を撮影できる最初で最後のチャンスなのだから・・・。お陰で満足のいく数枚の収穫を得た。その夜いっしょに食事をする約束をしていた人のことは完全に頭から飛んでしまい、続いて移動し、ロビー付近でお見送りをする先生と聴衆をカメラに収めた。そして誰もいなくなったロビーを後にし、静寂が包む舞台にもどり、予定どおり空のホールで先生の演奏風景を撮った。案の定・・・私が乗ってこない。緊張感がすべてにない。リサイタルの最後に、予想していた後悔が襲ってきた。“だから、本番中に撮らせてくれよ!っていったじゃないか・・・”勿論、私は心のなかで叫ぶに留めた。
。いい物を生み出すためには、適当な緊張感が絶対必要なんだから・・・。

皆と別れを言う暇もなく、食事をする相手の待つ数駅離れた町の駅に向かった。午後10時・・・金曜の夜ということもあり、駅は学生で溢れていた。(サラリーマン男性はあまりいない)会って最初の二人だけの食事がこんな時間はないよな・・・と思いつつ、今度は今宵のリサイタルのことは頭から離れて話し込んだ。楽しかった。また会う日を決めて彼女を見送った時には、私の帰路は絶たれていた。いつものように、ひとり寂しく仮の宿に向かった。

楽しいリサイタルの一夜であった。