自然界に直線がどれだけあるか考えてみた。雪の結晶の一片・真っ暗な洞窟に差し込む陽の光・鉱物の断面の一部・屋久杉?・竹?その程度・・・なかなか思いつかない。でもそれらは本当に直線なのだろうか?本当はいっぱいあるのに無知な私が見つけられないだけなのだろうか・・・。 私たちが住んでいる人工的なこの世界では直線が溢れている(屋根・柱・手摺り・扉や窓・机・ノート・鉛筆・・・・直線だらけ)のに、自然界には数えるくらいしか思い当たらない。直線は現代人が作り出したものかも知れない。現代人は周りのものが直線であることが都合よくて、曲がったものでも真っ直ぐにしてしまう。例えばキュウリみたいに・・・??。マンションなんて直線でできた箱の積み重ねでできているようなものだ。これだけわたし達の周りに直線が多い理由は、積み重ねたり、しまいこんだり、分けたりするのに便利だからかな?自分の体のなかに直線があるか考えてみた・・・背骨・・・でも、よく見ると、それはS字…、やっぱり私のなかに直線は見当たらない。 ガウディのサクラダファミリアは直線を極力抑えて、数え切れない曲線で構成されているように思う。こんな曲線の巨大構造物は他に思い当たらない。彼は地中海の海・空・山などの自然界と調和する造形物を作ろうとしたに違いない。やっぱり自然界には直線は、ほとんど存在していないのだと思う。デッサンを、はやくうまく仕上げる極意は、曲線で描くこと・・・複数の間接の繋がりによって動きをつくる人間には定規を使わず直線を描くことは至難の業に違いない。優れた楽器演奏者も滑らかな体の動きが作り出すストロークで人の心に響く音色を奏で出す。直線なんて、自然界に存在しないのではないだろうか・・・直線は不自然を生み出す幻想ではないだろうか・・・ 私のこれからの人生では、緩やかな弧をイメージしてみたい。障害なく人生を歩む人なんて、いるわけないし、少なくともその人にはその人なりの苦難や壁が常に目の前に現れてくる。私たちの世界がそういうものだと思った私は、目標に向かって一直線で突き進むなんて無理、緩やかな円を描き、弧を重ね、それらを繋いで目標に向かえば良いのだと気がついた。どんな人も一直線には進めない。それが自然… あなたも、ゆったりした弧を描く生き方をイメージしてみてはいかがですか・・・ |