昨日私の部下だった男性から電話があった。 彼は、私の会社で働いていた25年前にもそうだったが、普段は周囲にとぼけたことを言ってみせて、手抜きのような仕事態度だが、一旦走りはじめると倒れるまで突っ走るタイプの人間だった。 今の奥さんで4人目…今まで経験した仕事の数も、私の知る限り中途採用の市の職員や独立企業も含め6社は越える。 そんな彼の電話は、 “この間、死にかけました。8年前にも同じことがあったんですが、過労で尿の毒素が体にまわって、医師から何度もくり返したら死ぬぞ!と言われたんです。あなたの病気よりは、ましだと思うんですけど…。もう僕には友達が二人しかいない。○○さんと、あなただけです。” 私は、すかさず… “僕は、違うけどね!”と、答えた。 沈黙があり、 “あっ、違うんですか…。” また、沈黙があり、別の話題に移った。 こういう会話がさらっとできるから、私から離れて行った彼は、今でも電話してくるのだと思う。 そうして、じっと、彼の話を聞いてやる。 今の職場の上司から起業するように勧められていることが分かった。 いつものように、最後に… “無理しなさんなや!”と、声をかけた。 彼は器用だが…それ以上に不器用に人生を歩んでいる。 “無理しなさんなや!” |