ギターのレッスンに行って、前々回から習い始めた曲を弾いてみたら、やたら褒めてもらったものだから、調子に乗って久しぶりに“アルハンブラの思い出”を弾いてみた。 私は、今まで人前をあまり意識して演奏することなくきているが、今日は先生に練習の成果を聞いてもらいたいという思いが強くあったせいか、いつになく演奏に集中し、呼吸ができていなかったものだから、弾き終わって息が苦しくなり、むせてしまった。 昨年の春にギターを習い始めて5ヶ月ほど過ぎた秋頃、教室で一番若輩の身で発表会に出て、初めて指の先の感覚が無くなってしまうという経験をしたとき、その日の〆の先生の模範演奏で、演奏そのものの素晴らしさよりも生徒との呼吸音の違いが気になって、鼻で一気に吸い込む音がやけに大きく聞こえたことを奇妙に感じたことを思い出した。 その後、すごく大きなホールでのバイオリンとピアノのコンサートに行った時も、同じように女性のバイオリニストの呼吸音を聞いた。 長い間、演奏と呼吸についての疑問をかかえてきたが、今日その答えの糸口を見つけた。演奏家は演奏に集中するために、水泳での呼吸法のように鼻で一気に吸い込んで、口から徐々に吐き出すという最も合理的な神経の集中のための呼吸法を身に着けているんだ…と。 私の今日の“アルハンブラの思い出”の演奏では息継ぎができず、次の曲を弾いてみるとパワーが入らなかった。すでにギブアップである。 クロール泳法のように、ちゃんと呼吸ができないと遠距離を泳げない。 よい演奏のためには、神経の集中に伴う呼吸方法が大切だと気が付くほど集中した演奏ができたことは、私のギターライフにおける、新たな1ページを開いたように思える。 さてこれから、もう一度“アルハンブラの思い出”を弾いてみよう。 昨日までとは違う音色がするだろうか… …………………………………………………… 弾いてみた。 今のところ、以前と変わらない。 やはり、そんなに簡単には、うまくはならいようだ。 |