私は一度結婚し、そして離婚した。結婚していた女性は嫌いではなかったが、周りの女性が見えなくなるほど好きだったとか、いっしょにいることが他の女性より自然だったかどうか・・・と言うと、そうでもなかったかも知れない。流れや勢いもあったように思う。私が結婚に対して優柔不断だった理由のなかには、比較対照となり得る女性と付き合う経験が少なかったこともあるし、経済的な不安もなく炊事洗濯の心配のない環境にあったこともある。そして結婚そのものに対して、ママゴト遊びのような・・・成人ならば一度は通り過ぎるゲームかイベントのような感覚があったかもしれない。この先、他人といっしょに生きることになれば、二度と同じ思いは繰り返したくはない。 私は、かねがね再婚をしたく思っていたが、ここ数日の間に心のなかの歯車が動いて、結婚を最終目標にするのではなく、いっしょにいて自然で楽な人と生活したい・・・とだけ、強く思うようになった。それが結婚という社会的に認識を得なくてもかまわないし、場合によっては結婚という形をとってもかまわない・・・場合によっては常にいっしょに生活しなくても良い・・・と思い始めた。同じ結果になっても、この考え方のほうが極めて自然であるように思う。私の考えが変わった理由には、イタリア人の子供を身篭った女性の影響もあるし、私が今このときにも積み重ねている経験にもよるだろう。 昨今、儀式はいくらでも省略できる世の中だ。大切なことは心と心の結びつき・・・ とやかく言っても、深い絆で結びつことのできる人と巡りあいたと思う願いは、以前も今も変わらない。 いつまでも一人は寂しいもんな・・・。 |