1週間に一度休みをとることが習慣にない私は、世の中ではお盆休みが始まっていることに気が付いておらず、仕事先に電話を入れても話をするどころではなく、繋がらないこところも多い。 そんなことで、先ほどヘアーサロンに行ってきた。一ヶ月に一度訪ねる店は、女性の顧客が中心のはずだが、今日に限っては男性客ばかりで散髪屋に来たような感じであった。 カットしてくれるオーナーの他の客への対応を窺っていると、先ず席に客を座らせ希望のヘアスタイルを聞いている。私はと言うと…店に入って希望を聞かれた覚えがない。いつも同じように刈り上げるだけである。 わざわざ言う事もないのだが、たまには私の希望も聞いてほしいものだ。 それでも、カットされていく鏡に映った自分の姿を見ていると、段々と凛々しくなっていく。ここのオーナーは私のことを良く知っている。流行を追う事もなく、控えめに、頭をひくく生きている…そんな私の頭を触るに最もふさわしいアーティストなのだろう。 これからも、私はこの店の椅子に黙って座ってオーナーに全てを委ねることになるだろう。 そんな、全てを任せられる人がいることは、つくづく幸せだと思うのだ。 |