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SOLILOQUY

ひとりごと

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August 01, 2012 13:51:04

思惑

カテゴリー: 日記
昨晩は、マダムが主催するクラシック音楽のライブ演奏を聴き、その後でフランス料理をいただく会があり出席した。夕方開演だが昼過ぎに会場となる私のホールにやってきたマダムは、一人でテーブルセッティングを始めた。しかし、なにせ40人もの集まりだから、なかなか仕事がはかどらない。そこで言われもしないのに、お金を払って参加する予定の私は、いつものようにマダムを手伝いはじめた。

しばらくすると演奏者がリハーサルためにやってきた。モスクワ音楽学院に在学するチェロとピアノの現役の学生である。
2年前にもこのチェリストは同じようにマダムの会で演奏したことがあったが、その時よりも自信に満ち、丸みを帯びた音を奏でていた。

マダムが私に“ギターの先生を呼んであげたら…、聞くだけだったらお金はいらないから…。”と言うもので、電話で先生を誘ってみると、即決でやってくるとの返事が返ってきた。そのことをマダムに言うと、“もし先生が料理も召し上がるなら、一人分は何とかなるわよ…。キャンセルが一人でたから…。”と、食事会の参加を持ちかけてきた。先生は来ると言っているし、演奏の後で先生を先に帰して、わたしだけ食事をするのも気がひけると思い…、“演奏の後、食事もなさいませんか…、私が招待しますから…。”と先生に電話した。

“先生が料理も食べると言っています。私の招待で…、私が支払っておきます。”とマダムにお金を払っている最中のマダムの顔がやけに嬉しそうに見えた。
テーブルセッティングを続けながら、マダムの思惑にすっかりはまってしまったと気が付いた。

まぁーいいか…、演奏も素晴らしかったし、料理も美味かったし、ワインも美味しかったし、私の懐は軽くなったが、みんな幸せになったんだから…と、納得した。
August 02, 2012 11:43:32

応援

カテゴリー: 日記
野球やバレーボールの試合を見ていると、応援団の指図(リード)で沢山の人が同じ掛け声や動きで応援しているが、私にはスポーツ観戦より、他人と同じ行動をとることに喜びを感じているように見え…奇異に思える。

アメリカの球場では、ボールがバットに当たる乾いた音が球場に響き渡ると言うが、日本では応援の太鼓やラッパ(?)の音で臨場感ある音が、かき消されてしまう。

日本人は、世界で最も集団行動に向いた国民なのだろうか…。他人と同じ行動をとることで安心する国民なのだろうか…。

圧巻は阪神タイガースの試合の7回攻撃前に上がる風船の舞…。私には風船業者の思惑にまんまと乗っかってしまうファンの気持ちが、いま一つ理解できない。むしろあの場にはいたくない…という気持ちが強い。

私の長所は“他人と同じことをしたくない。”と、思っている事…。
私の短所は“他人と同じことをしたくない。”と、思っている事…。

要するに、ちょっと変わってるわけね…。

小学生の頃…行ったきり…野球観戦には出かけていない。せめてフィギアスケートくらいの応援であれば、野球場に足を運ぶのに…。それとも、日本食が世界に波及したように、今後…スケートもフットボールもベースボールも日本の応援が世界標準になるのだろうか…?

そうならないことを祈りたい…。

日本…がんばれ…
August 03, 2012 16:59:18

授賞

カテゴリー: 日記
何年も前のアカデミー授賞式で賞を獲った人達が、神様やら、スタッフやら両親やらに“今、自分がこの舞台に立つことができるのは、あなた方のおかげです。感謝します。”なんて…受賞者のすべてがいうもので…なにか他に面白い事いう人がないものかと思ったこともあったけれど…。
気がつけば、ロンドンオリンピックでもメダルを獲った人は十代の若い人でも、競技終了後のインタヴューで同じように話している。

これは、前もって用意したコメントではなく、あるレベルに到達した人が精一杯努力した後に自然に出てくる感情なのだと思うべきなのかな…。

柔道が国技(?)だから、勝たなくてはいけない…と言うのは、選手にとって、すごいプレッシャーなんだろう。

でも、柔道が日本の国技だなんて考えている国は、日本しかないのかも知れない。だって、1969年の東京大会からオリンピックの正式種目になったと思うけど…その時から48年も経ってるんだから…。
オリンピックの競技名は“柔道”ではなく“JUDO”というスポーツなんだよね。
“JUDO”と“柔道”は違うものだよね…。

剣道がオリンピック種目にはならない大きな理由の一つに、剣道は精神性を重んじる武士道であってスポーツではないという理屈があると聞くが、それはそれで筋が通っているように思う。日本の柔道界の幹部の方も、その辺のけじめを、もっとつけるべきだと思うな…。

日本柔道界は明らかに、転換の時がきたように思う。少し遅かったと思うけれど…。
我々一般人も“柔道”と“JUDO”の違いを認識する良い機会だと思う。

カリフォルニアロールはSUSHIであって、寿司ではない…。違いを認めてこれからも、どちらも進化していってほしいと思う。いやいや寿司は進化しなくていいのかもしれんなー。

改めて、ロンドンオリンピックに向けたJUDO選手と指導者の日頃の精進に拍手を送りたい。
次回のオリンピックで、JUDOの多くの日本選手から、心からの喜びと感謝のコメントを聞きたいものだ。
August 04, 2012 12:03:30

共演

カテゴリー: 日記
知人のフレンチレストランのオーナーシェフは、私の町で3本の指に入る料理人だ。酒を飲めない料理人がいるなか…ソムリエ級にワインの味が分かる。
彼の店はワインの持ち込みができる。料理が運ばれる前にコルク栓を開けてシェフが味見し、料理の味を決める。場合によってはその日の料理のソースに少し加えたりもする。

酒好きの彼の店のワインはおいしいものが揃っていて、その分高額のワインが多い。私は彼の料理に向かう姿勢が好きで、たまに客になるが、酒飲みの私が酒飲みの友人といっしょに行くと、いつも二人でボトルを2本~3本空けてしまうので恐ろしい値段になることがある。だから安くあげるために持ち込み料を支払って家にあるワインを持ち込ませてもらう。

私の家には、景気の良い時に手に入れたシャトーマルゴー特急畑の最後のワインが1本ある。補充の予定は今のところない。
このワインはシェフの店で開けることを心に決めている。
次のシェフの料理と持ち込みワインの共演は特別の日に催したいと思っているが、まだ予定はない。
さて、私の特別の日は、いつにしよう?

私がワインの味にうるさい…と、思った方もおられると思うが、そんなことはない。
あまり分からないのに、雰囲気を楽しんでいるだけである。
普段は1000円のワインがご馳走だ。

誤解のないように…。
August 05, 2012 10:51:48

作家

カテゴリー: 日記
古典的な絵画も、印象派の絵画も、現代アートも私は好きだ。しかし、作品が好きだと言うことと、その作者の人間性が好きだと言うのとは別の話で…、作家という類の人種は変わった人間であるし(そうあるべきであるし…)一定の距離を越えて近づきたくないと思う。
例えばゴッホなんて作家は、もし同時代に生きていても、いっしょに酒を飲みたいとは思わない。突然、酒瓶を担いで頭に包帯を巻いて目の前に現れ、“どうしたんだい?”と、聞いたら、“さっき、耳を切ってきたんだ。”なんて答えられたら、たまったものではない。

私は、若かりし頃、短期間だが真剣に絵を描いた時期があり、特にコンクールに出品して受賞したことはないけれど、ある有名な先生から絵の世界でやっていける…と、お墨付きをもらったことがあった。その時に描いた絵は外国の田舎の精緻な風景画であり、観た人からはとても確かな描写で美しい絵だと高評を得たが、一日中キャンバスに向かって描いていた私は、描いている時の自分の精神状態が決して良いものではないと思い知った。だから、筆を置いてビジネスの世界に入ったわけだ。

ビジネスの世界で頭打ちした私は、あの時絵を描き続けていたほうが良かったのではないかと、ふと思う事があるが…、やはり精神状態が不安定になった、あの辛い状態は続けていられなかった…と、すぐに思い返す。

美しい絵を描く人が美しい心を持っているとは限らない。おおらかな絵を描く人がおおらか心を持っているとは限らない。地獄図を描く人が恐ろしい心の持ち主だとは限らない。

実は、私は他人の絵を観て、作家の精神状態が思い計れる。
作家とは距離を置いてお付き合いする人種だと、自分自身の経験もあって…思う。
August 06, 2012 11:00:32

中元

カテゴリー: 日記
今から15年ほど前になるが…私が人生において目の前に大きな壁があることを感じ始めた頃、いつも“よっしゃ…だいじょうぶや…べっちょない。”と言って励ましてくれた超能力を持つと言うおじいさんと会う機会があった。
私の別れた妻といっしょに、5年間に渡り年に数度、その方の家の門をくぐった。しかし、おじいさんのことを教えてくれた妻との離婚を機にお会いすることがなくなり、その間に子供と二人だけの生活があり、登校拒否の問題があり、会社清算の話があり、死にかける病気を患う等の経験をした。

今はその時の壁を乗り越え楽しく生きている。

一昨年の秋に、10年振りに、もう亡くなっておられるのではないかと思いつつ、ご存命であればご高齢であろうおじいさんの家を訪ねた。すると偶然、家の門の外に出てこられた元気なおじいさんに出会う事ができ、苦しかった時に“べっちょない!”と声をかけていただいたことが忘れられないと言う話をした。
そしてその年の暮れに、僅かばかりの御礼の品を贈った。すると “私は、なんにもしてないけど、ええんか?”とご本人から電話がかかってきた。

私にとって大切なことは、私に生きる力を与えてくれた全ての人に感謝し続けること…私がそのことを忘れてしまえば私が私でなくなる…と、いう事…。
このことを肝に銘じて生きていきたい。

昨日、私が御中元に贈った品への御礼の電話が、おじいさんからかかってきた。
お元気な声が聞けて嬉しかった。
これからも、お元気でいていただきたい。
August 07, 2012 18:25:05

未来

カテゴリー: 日記
今日は、町の会があった。内部の話とは別に、会員外の組織から我々の会に対して、次世代のコミュニケーションツール“Talk Fusion”と“街コン”についての説明を受けた。

世界で最大級のルーター(?) CISCO社の未来予測では、2014年には世界中のコミュニケーション手段の90%が動画になると言う説明を受けた。
“クリティカルポイント(臨界点)16”…の説明を受けた。世の中の新しいツールとか概念の普及は全体の16%を越えれば爆発的に広がる。逆に16%に満たない場合は終息に向かう…らしい。
“転換率5%”の説明を受けた。コミュニケーションツールを利用して100人が見て、5人が利用したら成果があったと判断され、10%だと驚異的成果と言う…らしい。
“デジタルデバイト”の説明を受けた。コンピューターやインターネットを使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる、労働条件や収入の格差のこと…らしい。

あー、そうなんだ…と、思った。

“街コン”の説明を受けた。

あー、そうなんだ…と、思った。

未来の変化をチャンスととらえ、仕掛けていける人もいるのだろうが、私は話を聞いても“あー、そうなんだ。”としか思わない。

私はデジタルデバイトでは、下層階級だ。
August 08, 2012 14:43:38

本場

カテゴリー: 日記
ギターの先生のお嬢さんは、オーストラリア人と結婚し、子供もできてオーストラリアに住んでいる。そのため先生はオーストラリアに行かれたことはあるが…、欧米を訪ねたことはない。

私は、自分では弾けないのに、曲の美しさに魅かれ…、ギターの名曲“アルハンブラの思い出”の城を35年前に一人で訪ねたことがある。今では、かなり記憶も薄れてはいるが実際に自分の目で見て空気感を感じたことが、この年になってクラッシクギターを習うきっかけとなった。

自分の先生が欧米を訪ねたことがないことを残念に思う…と、ギターには縁のない人と話をしていて、“百回聞くより一度見たほうが良く分かる。”って言うでしょ…と話したら、その人が“百聞は一見にしかず…ってことか…。”と答えた。

私は、なんだか恥ずかしくなって話題を変えた。

ともかく、遅くはないから先生には音楽が生まれた土地の空気を体験していただきたいと思う。

今からでも先生が、本場の空気を吸われたら、大きな飛躍があると思うのだが…そのことについては、直接先生には言えない。いろいろ事情はあると思うが誰か言ってあげたらいいのに…。
August 09, 2012 16:21:27

片棒

カテゴリー: 日記
今から20年ほど前に、夕食後にテレビを観ていると…、記憶にある絵が映し出された。しばらくして思い出したことに…、その3年ほど前…知人に頼まれ描いた絵だという事を思い出した。ゴルフ場のクラブハウスの絵である。
知人から依頼を受ける時…、“普通なら仮図面でもあって、パース(完成予想図)専門の絵描きに依頼すればいいんじゃーないの?”と尋ねた記憶がある。そうしたら知人に、“まだ図面ができていないから私にイメージだけで描いてほしい…。”と言われ…、すっきりしないものがありながら描いた記憶が残っていた。

テレビの番組は、ニュース番組で…、その内容はゴルフ場の会員費を集め、実際には工事もせずに主催者が逃亡したと言う詐欺事件であった。どうやら私の絵が詐欺に一役買ったようだと分かり、とても寝覚めの悪い思いをしたものだ。

どうりで、図面がないわけだ。こんな落ちがあるとは思いもよらぬ…。

私に絵を描くことを頼んだ知人には、あの時以来会っていない。その彼も詐欺の確信犯ではなく、企画屋として巻き込まれたものだと信じたい。

私には、今でも騙された人に、申し訳ないという思いがある。

あの時以来、お金をもらって絵を描いていない。

お屋敷のレストランの絵を、仕事で受けて良い物かどうか…少し悩むところだ。
August 10, 2012 13:47:18

売上

カテゴリー: 日記
昨晩は、マダムの店で誕生会があり参加した。マダムを介して知り合った顧客のなかから、マダムは話が合いそうな5人の人を選び、一組のグループを作った。そのうちの1月が誕生月の癌の宣告を受けた一番高齢者の方のために、マダムの音頭で、5人の仲間が寄って、最初…今年1月に誕生会を開いた。

5人のうち3月誕生月の人が二人おり、3月にもマダムは誕生会を開いた。
昨晩は8月1日生まれの人の誕生会が開かれた。

自分の誕生会を開いてもらって、他の人の誕生会に参加しないわけにはいかない。最初に集まったメンバーは全員毎回参加している。病気で高齢の方はいつも楽しそうに参加されているし、元気な顔を見るのことは嬉しいことだ。私はこれからも参加することになると思う。

この会は誕生月の人も会費を払わなければならず…考えてみれば、マダムの店の売り上げに私たちは貢献している。誰もがマダムの思うつぼだと思いつつ、だれも不平を言う人はいない。それは、その日のためにマダムが精一杯料理をして、精一杯のもてなしをしているからだろう。

誕生会なんて、何年も縁のなかった私に、年に数度自分が喜び、他人が喜ぶ姿を見る機会を与えてくれたマダムに感謝している。

お知り合いのお店の方に、この売上獲得の仕組みを教えてあげたら喜ばれるかも知れない。
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