数日前のコンサートのリハーサルの時のティーブレイクで、ギターの先生が、私が最近、フルオーケストラの指揮者のタクトの動きと演奏者の奏でる音との間にズレがあることを、やっと気がついたらしい…と、話題を振った。するとピアニストも話の中に加わり、ズレが当然であることを前提に話が盛り上がった。 ピアニスト「ピッコロとホルンでは音の伝わる速さが当然違うでしょ。」 ギタリスト「そりゃそうだろうね。ピッコロのほうが早いだろうね。」 ピアニスト「オーケストラの同じ舞台の上でも、場所が変わると音がズレて聞こえる訳ですよね。」 ギタリスト「だから演奏者は、指揮者の好みを理解して、タイミングを予測して演奏するわけです。」 この時点で、私にはついて行けなくなった。 ギタリスト「○○○○の芸術センターの舞台は、中央で演奏するより、聴衆からすればどうしてそんな後ろで…と思うような場所がいい音がするんですよ。」 私は、無理やり二人の会話に割って質問した。 「○○○○の芸術センターの音はどうですか?」 ピアニスト「あそこは最低ですね。綺麗だけで…設計時に音楽監督に依頼する費用を、けちったんだと思いますよ。」 その後、二人の会話に全くついていけなくなった。 音楽家というものは、すごい感性を持っている。 ところで、演奏が指揮者のタクトの動きからズレていることを、あなたはご存知でしたか? |