先日、パリの郊外でオーベルジュを10年間経営していたシェフの、帰国後自分のレストランを始めて3周年記念パーティーに出席した。フランスに戦いを挑んだのが40歳・・・神戸の震災をはさんで50歳で帰国し、紆余曲折の十数年後、3年前に我が町で小さなレストランを開店した。本当に小さな可愛いレストランである。フランスの名門料理学校“コルドンブルー”で日本人で始めてフランス料理を教えたと言う輝かしい経歴からすると、少し小さめのお店かも知れないが、再婚した奥さんと一人の料理見習いとでやっていくには適当な大きさだ。彼の年齢は66歳・・・パーティーには、彼の経歴が物語る素敵な来賓が集まった。 パーティーの最後のスピーチに、彼は私に対する感謝の気持ちを述べたそうだ。私はすでに退席していて、そのメッセージを直接聞かなかった。翌日、直接そのメーッセージのために電話してくれた。嬉しかった・・・ 彼が現役で仕事するのも後数年・・・フランス人にフランス料理で挑んだ戦う料理人が、最後まで戦い続ける様を見守っていたいと思う。 |