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SOLILOQUY

ひとりごと

 
November 22, 2012 17:51:59

新酒

カテゴリー: 日記
今年もボジョレーヌーボーが解禁になった。
私はそのワインの存在を30年前に知った。日本中が浮かれていた…後にバブルと言われる時代が始まるまでは、ワインはお金持ちの嗜好品で一般人には馴染のない酒だったように思う。私もなにかの記念日でレストランに行った時にだけ、味を楽しむというより雰囲気を味わう程度に口にした。当時一般的に飲まれていたウィスキーやブランデーやらとは事なり、水で薄めることのない割高の酒だという印象が強かった。

一昔前のボジョレーヌーボーの解禁日と言えば、高級ホテルやレストランで、新しいもの好きの金持達が集まって騒ぐ日だったと記憶している。マダムの店でも当時は樽買いしてレストランの顧客と朝まで酒盛りをしたと聞く。あくまでもワインという特別の酒のなかの、そのまた特別の酒と言う扱いであったように思う。
ところが今年あたり、フランスに畑を持つという大手コンビニが自社ブランドのボジョレーヌーボーを日用雑貨棚の横に陳列していた。猫も杓子も…という表現が適切かどうか分からないが、ボジョレーヌーボーがこれだけ日本で一般化すると…いったい誰が予想したろう?

私は、今年もマダムの店でボジョレーヌーボーを口にした。昨年の味も…、一昨年の味も…、その前の年の味も覚えていない私は、喉元過ぎた瞬間から、色も、香りも、味も抜けて行って、今では何の記憶も残っていない。

味覚・臭覚に優れた人はそんなにいないと思うのだが、私のような雰囲気だけ感じている人が大多数だと思うのだが、そんな素振りは見せずに、全国民がこの季節…えせワイン通になっている。

…なんて私が愚痴ることはない。
今年はブドウに病気が蔓延して、悪いところを丹念に取って、そのうえで収穫時機を遅くしたワイナリーのワインだけがおいしいらしいよ…なんて…マダムの話を受け売りしている私がいるのだから…。

私も典型的日本人の一人に違いない。
自分だけがワインの味が分からない…と言う話で止めておいたほうが良さそうだ。
来年も同じことを言いながら、ワイン会に参加している自分が見えた。