映画のラストシーンにハッピーエンドがよくある。その幸せがずっと続いていくように描かれるが、映画と違って実際の人生ではそれで終わりと言うわけにはいかない。実際に幸せなことが起こっても、決してそこがジエンドではない。 死んでしまわない限り、或いは忘れ去られない限りその後にも物語は続いていくわけだから、人生の一区切りが終わるだけのことなのだ。 ハッピーエンドを期待することは、占いを信じるようなものだと思う。 “彼と私は結婚して幸せになれるでしょうか?”と尋ねて、占い師が真顔で答える…。 幸せかどうかは、人生のどのスパンで、どうだと尋ねない限り、答は正解でも不正解でもないはずだ。 例えば、彼氏が死んでしまった後で私は結婚して良かったと思えるでしょうか?とか…、彼氏が浮気をして喧嘩した後に、彼が改心してくれたら、私達は幸せになれるでしょうか? 占い師の元を訪ねるなら、このくらいの質問はぶつけてみてもいいかもしれない。 映画のラストシーンでハッピーエンドを迎えた主人公が、新たな旅に出る…というものがあるが、この余韻を残すラストの方が、気が利いていて納得できる。しかし、現実の人生での続編では、あまりに平凡だったり、裏切られ最悪の人生を迎えることもありそうだ。 占いに正解も不正解もないように、人生にも正解も不正解もない。 経験できたことを素直に受け入れ、すべてに感謝して生きていく人だけが、この世を去る時に人生のハッピーエンドを迎えられると思うのだが、いかがだろう? 幸せはいつまでも続かない。辛いこともいつまでも続かない。人生なにが起こるか分からない。人生なにが起こるか分からない。 私はいつも、そう自分言い聞かせて生きている。 |