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SOLILOQUY

ひとりごと

 
June 10, 2012 22:46:47

平凡

カテゴリー: 日記
今日の午後、当てもなくドライブに出た。ひたすら海を目指して走った。埋立地らしい平地を抜けると延々と続く堤防に先を阻まれた。そのため向こうに広がる大阪湾は望めなかった。
堤防の切れ目にある駐車場の入口の満車看板の前に順番待ちの車が何台も並んでいた。車を置いて数m歩けば海を見ることができたのかも知れないが、待つことが苦手な私は彼らを横目で見ながら、埋立地の一戸建ての住居群の間を抜ける陸地へと進路を変えた。
堤防の高さを越える津波がきたらこの町はどうなってしまうのだろう…と考えた。

運河を渡る橋の下を、何艘かのプレジャーボートが疾走していた。バブルの時に私はクルーザーに乗っていた。もちろん当時は、船舶免許を持っていた。しかし更新しなかったから失効してしまっている。ふと当時のバブリーな生活を思い出した。
もう船を操縦することもないだろうから…改めて免許をとることもなかろう…と、思った。

しばらく走ると、車中のラジオの音と車外の音が同調していることに気が付いた。目の前に甲子園球場が見えてきた。考えればこの球場には小学生以来、半世紀足を踏み入れずに過ごしてきた。
私は、阪神ファンである。しかし熱狂的ではない。私は太鼓やラッパを鳴らしての応援とか、みんなで風船を飛ばすことがあまり好きではない。静寂のなかで白球がバットに当たる乾いた音や選手の息遣いを聞きたいと思うからだ。
しかし、これは阪神ファンには叶わぬ願いかもしれない。
球場の横を、ラジオを消して通り過ぎた。

喉を潤すためにマダムの店へ向かった。
マダムの店では薔薇ジュースを飲んだ。薔薇ジュースは食用の薔薇の花びらから抽出したエキスを水で割ってジュースにしたもので、おまけに今日は特別に花びらを一枚グラスに入れてもらった。
ジュースを飲みほした後で、花びらを口のなかに入れた。

なんてことのない、平凡な一日がもうすぐ終わろうとしている。
今日は、早めに眠りにつこう…。