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SOLILOQUY

ひとりごと

 
June 08, 2012 14:49:58

友人

カテゴリー: 日記
小学校の友達に誘われ、会社の近くのライブ会場にでかけた。出演者に、やはり小学校の同級生がいたのだが、私は彼を目の前にしても記憶に薄い。おそらく彼も同じように思ったに違いない。他の同級生が5人ほど来場していて、彼らの記憶はしっかりあった。

高校の友人同士で、社会人になって一方の銀行借り入れ保証人になり、借り手が個人破産してしまい、あとの返済が自分にふりかかり迷惑を蒙ったという話を直接本人から聞いたことがあり、相手が逃げて見つからないからもし居場所が分かったら教えてくれと昨年頼まれたことがあった。
昨晩、逃げているという友人が私の横に座っていた。小学校の友人の集まりということで、安心して出てきたのだろうが、私にとっては、どちらも友人である。そっとしておこうと思った。そしてお互い電話番号を交換した。

残念ながら記憶に薄い私の友人のバンドは自分たちで精一杯楽しんで演奏し歌ってはいたが、あまり上手くはなかった。ボーカルのギタリストが昨年胃癌で胃を半分以上摘出したと言う。ポスターのチラシのふくよかな顔立ちとは全く別人の痩せ細った男に変わっていた。彼にとっての最後のステージを仲間内で演出しているように思えた。

ファーストステージが終わり、一足先に出ようとして、出口に進むと、一人の女性が“もう帰るの?ショー聴いて帰れへんの!”あまりに親しげに語りかけられたので、誰だったが思い起こそうとするが分からない。彼女は隣にいたショーに向かって“ショー!今日は歌うんでしょ…”と尋ねた。ショーは“次…。”と答えた。私は帰れなくなりショーの演奏を聴いた。
ショーは図抜けて素晴らしかった。帰り際…先ほどの彼女が“有難う。帰りかけてたのに聞いてくれて…もっと歌うと思たんやけど…”私は“良かった。良かったよ”と言って店を後にした。
彼女はいったい誰だろう?いまだに分からない。

家に帰ってショーを検索してみた。関西を中心に活動する名の通ったミュージシャンだった。

改めて、私を引きとめてくれた彼女に感謝した。