仕事の関連で私が信用した人から、思うような対応がなく、昨日メールで極めて事務的に問い合わせてみた。すると間髪入れず丁重な詫びと今後の予定について書かれた返信が届いた。 私の年齢で信用できる人物かどうか見誤ることがあるだろうか…。 もう少し静観することにした。 今日マダムの店に行き、今までに人から裏切られたことがあるかどうか…と、唐突に切り出した。すると臆面もなく、昔いっしょに住んだ彼氏が事業に失敗し、店の手形を知らないうちに勝手に切って、行方不明になり、おかげで沢山の借金を背負ったことがあると語った。 私はマダムに辛い記憶を思い出させて聞かないほうが良かったと思った。 マダムは続けて話してくれた。あのことが商売(レストラン)が厳しくなるきっかけになってしまったが、今は恨んでいない…と。レストランを閉めることが新聞に載り、彼から十数年振りに電話がかかってきた時にもなにも言わなかったそうだ。その時でもまだ好きだったかも知れないと言った。 彼氏には悪意はなかったのかも知れない。マダムに隙があったのかも知れない。お互いが惹かれあうように、弱い心と心の隙は、いつの間にか忍びよるものだろう。 私には、他人から裏切られた記憶がない。と言うよりも裏切られたと思っていないだけかも知れない。そう思える私は幸せだと思う。 そして下手に、他人のプライバシーに踏み込む質問は、慎もうと思った。 |