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SOLILOQUY

ひとりごと

 
July 20, 2013 14:45:50

合鍵

カテゴリー: 日記
昨日、合鍵を作りに行った。私はこの金物屋に25年近く通っている。この店の主人は80才を過ぎた老夫婦であるが、年をとっても主人の腕は確かである。

店の前まで行くと、シャッターは開いているものの、いつも以上に店内の通路には雑然と物で溢れていて、とても営業しているようには見えなかった。店前で躊躇する私に後ろから声をかける老婆がいた。“兄さん、合鍵?今主人は点滴に行ってて、もうすぐ戻ってくるから待つ?それとも鍵預かっとこか?”いつもは薄暗い店内でしか見かけることない、道路側のベンチに座る奥さんであった。
“あんた、ここらで見かけたことある感じやな。”と、言われたが、何回も来たことありますよ。と言うのは止めて“ああ、そうですか。”とだけ答えた。

主人の帰りを待った。その間、奥さんから続けざまに愚痴を聞かされた。それに83才だと名乗った彼女は、年寄や小さな子供が店の前を通るたびに、一言ちょっかいをかけた。

30分ほど待った時、私は遠くのほうから、こちらにゆっくりと向かって歩いてくる主人に気が付いた。しばらくおいて奥さんも気が付いて“あんた…走らんかい。お客さん待っとんのやで。”と、大きく叫んだ。主人はペースを変えることもなく同じペースで歩いてきた。

できた合鍵を握って帰る途中…。いつまであの店はあるのだろうか…?どれだけ待たされても、開いている以上はまた来ようと思った。