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SOLILOQUY

ひとりごと

 
July 01, 2013 10:16:12

郷愁

カテゴリー: 日記
昨日、昼食をとるためマダムの店に行くと、町で有名なフレンチレストランのオーナーシェフがカウンターでコーヒーを頼んでいた。私は軽い挨拶を交わし持っていた本を読み始めた。すると狭い店名なのでマダムとシェフの会話が耳に入ってきた。“最近グランフロント等の新しい商業施設から出店を持ちかけられているが、条件が厳しく二の足を踏んでいる。それより大阪の路面に高級フレンチのレストランを出したい。”と夢を語った。“若い時にホテルのグランドオープンのシェフを任されたことがあったが、あの時の充実感が忘れられない。チャンスがあればまたやりたい。”とも言っていた。
そして“昔のように、レベルの高い料理の分かる人が増えてほしい。今の人は安くて、そこそこの料理で満足してしまうし…。”と嘆いた。

話を聞いていて、私はシェフが疲れているのだと思った。

夜に、知り合いシェフのフレンチの店が企画するブルゴーニュ産オマールを食べる会に出席した。完全予約制で小さな店に10人の客が集った。シェフの店は今回のようなイベントがないとディナーは静かである。見渡すと客の年齢はとても高く、私がまだ若造だった。
手抜きのないシェフの料理の素晴らしさを分かる人が、毎回同じ顔ぶれの年よりしかいないと嘆くべきか、それでもこれだけの人達が集まったと喜ぶべきなのかと、ふと考えた。

昔、名声を得たフレンチのシェフ達が、今…もがき苦しんでいるように思えた。