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SOLILOQUY

ひとりごと

 
April 26, 2013 09:57:18

貼紙

カテゴリー: 日記
昨日マダムの店の前で“薔薇の先生”に出会った。

どうして薔薇の先生と呼ぶか…?
先生は学校を卒業して商社に入ったが数年後、独立して薔薇の花だけの花屋を始めた。今ならそんな専門店があっても不思議はないが、東京のような大都会ではなく私の町のような田舎町で35年前のことだから当時としては画期的な店だっただろう。

薔薇の先生は7年前に店を閉めた。その理由は病気で倒れたから…。奇遇だが、私と全く同時期に同じ病気で倒れ、それ以降通常の社会生活ができなくなった。
私は、当時若かったから手術で人工血管に入れ替えたのに反し、先生は高齢であったため薬だけの治療を続けていて無理ができない。私が無理できる体かと言うとそうではないのだが…。

私と先生は、病気を通して親しくなった。いわゆる病気友達である。

マダムは独身、薔薇の先生はずっと前に離婚して独り身だ。先生は、マダムの店によくやってくる。二人が話をしている様子をみていると、ほのぼのとしたものを感じる。マダムが69才、先生が74才、二人が結婚することはなかろうが、以前マダムが“私にも恋人に近い友人がいる。”と、ブログに書いていた男性は薔薇の先生のことではないかと思うのだ。

昨日、先生がやってきた時、マダムの店の前に“出かけています。5時にもどります。”と言う貼り紙があった。先生は、“30分も待たれへんから、帰るは…。”と立ち去ろうとした。私は病気友達がマダムに会って帰れるようにと思い、店の前で30分間、先生の話し相手を務めた。
時間どおりにマダムが帰ってきた。二人がいっしょに店に入ってくのを見届けた。

一風の爽やかな風が私の頬を撫で、私は仕事にもどった。