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SOLILOQUY

ひとりごと

 
April 07, 2013 12:19:17

天恵

カテゴリー: 日記
ウィーンからやってきたバイオリンのマエストロの特別個人レッスンは、昨日が最終日だった。30分前にやってきたのは父母に付き添われた少女だ。時間通りにイタリア人が到着した。しかし、いつまで経ってもマエストロがやって来ない。
ひょっとすると、マエストロの指導は昨日が最終日で今日は違う町に移動したのかと思った。
イタリア人の指導は、いつもより力が入っているように見えた。イタリア人は仕事でホールを横切ろうとした私を見つけレッスンを中断して近寄ってきた。“先生が腸炎になって寝込んで来ない。パニックだ。きっと自分の娘の病気がうつったんだ。”と、言った。私は“それは大変だ。頑張って!”と言うしかなかった。彼の心細さはわかるけれど私には、うまく励ますこともできない。
いつもより彼の指導に力が入っていたのはマエストロの抜けた大きな穴を埋めようとしてのことだと分かった。後で知ったことだが、この日指導を受けにやってきた人たちは、愛知県からやってきた人が二組、それに四国からの人もいて、イタリア人の慌てぶりがよく理解できた。

イタリア人は、くたくたになって帰って行った。

この四日間で気が付いたことがある。
バイオリンを弾く女性に、神は二物も三物も与えたに違いない。

女性はバイオリンを習うと美しくなるのだろうか?それとも、美しいからバイオリンを習うのだろうか?

この四日間で学習できた最も大きなことが…、これ…である。