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SOLILOQUY

ひとりごと

 
May 08, 2012 13:51:25

眼差

カテゴリー: 日記
先日父の位牌に手を合わせるために訪ねて来た遠い親戚との出会いをきっかけに、35年前に一度だけお会いしたことのある空手家の彼女の父親のことを思い出した。
私より身長は低く、ずんぐりしていて、たいそう体重があるように見えた。
格闘家は素早く動くためにスリムでシャープなものだと思っていた私は、穏やかな物腰で、優しいまなざしの彼女の父親が当時すでにユーラシア大陸と北アフリカの格闘家のなかで“偉大なる空手家”として名声を馳せた著明人だとは思えなかった。

私が質問する前に“体のでかい欧米人と戦うためには、体重がないと飛ばされてしまう。要は体重が重くても動ける体を作れるかどうかなんだ…。”
“日本は湿度が高くて住みにくい。もう帰るつもりはない。”と、言っていたが…そのとおり…数年前にパリの自宅で亡くなった。

ネットで探してみると、外国での指導風景の数々の映像とともに、偉大なる空手家の死を悼んでフランス人の手によって作成された長編の追悼映像が見つかった。
そこに登場する格闘家の眼差しを見て、全てを射ぬく鷹の目を持った人物であったと知った。

戦闘空手の師範は各国の軍関係者との関係が深く、ここで名前をあげられないが多くの要人との交流があったと聞く。世界を舞台に戦い続けた偉大なる格闘家は、当時、世の中のことをまるで知らなかった、ひよっこの私を、穏やかな眼差しの奥で、どのように見ていたのだろうか?

改めて偉大なる格闘家のご冥福を祈りたい…