acchan.com恋愛お見合い - 無料の婚活サイト  どなたもログインしてません  

SOLILOQUY

ひとりごと

 
May 02, 2012 13:21:40

姉妹

カテゴリー: 日記
20年振りに出会った彼女は、今幾つになったのだろうか…35年前に私がフランスに行った時には、ソルボンヌ大学の1年生だったから、もう50歳は越えているに違いない。彼女の家族は42年前にフランスに渡った。その頃、彼女がまだ小学生だったようで、以前本人から友人との別れが辛かったという話を聞いたことを覚えている。彼女に日本人らしさを感じるのは子供の頃の記憶があるからだろう。

今、彼女は日本人と結婚して東京に住んでいる。彼女のお父さんは10年ほど前に亡くなったが、お母さんと妹は今でもパリに住んでいる。
お母さんは、インターナショナルなお父さんと苦楽を共にしたフランスで一生を終えるつもりなのだろう。妹は、50才前だと思うがまだ独身だ。彼女がフランスに旅だったのは、小学校にあがる前で姉と違ってその頃はまだ同年代の友人がいなかった。彼女には子供の頃の日本での記憶がない。彼女の話す日本語には微妙に違和感がある。その理由が言葉を知らないからではなく、思考回路の違いだと気が付くまでに少し時間がかかった。すなわち妹は日本人の顔をしたフランス人だという事だ…。

私に妻がいて子供と3人で住んでいた頃、東京にもどって就活中の妹が突然訪ねて来たことがあり、2週間あまり我が家に滞在した事があった。彼女はフランスの鍋の世界的メーカーの日本支社に就職を希望したが研修期間が終った直後…頑張って自信があったのに断られてしまったようで、ショックを癒すために私のところに飛び込んできたのだ。
その時彼女は私の家から突然東京の鍋の会社に電話した。代わってくれと言われ私は戸惑いながらフランス人の社長と話をした。彼女にすれば日本にいるフランス人に裏切られたことが信じられなくて私になんとか言って欲しかったのだろうが、勿論私も社長もなにも話すことがなく、すぐに電話を切ったことを覚えている。
そして、私は彼女にフランス人の社長は、あなたが思っているようなフランス人ではなく日本人なんだよ…と、言った。
日本人の容姿をしたフランス人ではなく、フランンス人の容姿をした日本人が営業に相応しいと企業は判断したに違いない。

あれ以来、妹と会っていない。
この度姉が私の町を訪ねるにあたり、フランスにいるお母さんと妹から言付かったと言ってお土産を渡された。
クスミの紅茶とフォアグラである。フォアグラはレストランでは食べることはあるが、調理の仕方が分からない。知人のシェフに教えてもらおうと思い、写真を撮った。

写真を見ていると…フランスにいる妹とお母さんに無性に会いたくなった。