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SOLILOQUY

ひとりごと

 
May 03, 2012 22:01:14

足音

カテゴリー: 日記
子供の頃、一人で寝るのが恐かった頃…。明かりを消して横を向いて寝ていると、何者かが近づいてくる“ザクッ、ザクッ、ザクッ”と言う足音が、いつも聞こえてきて恐かった。母親にそのことを言うと“気のせいだから…、なにも来ないわよ!”と、軽く受け流された。

その足音が、自分の額の側部を通る静脈の脈打つ音だと気が付いたのは、しばらく経ってからのことだった。
私たちは知ってしまえば、どうってことないことでも、無知ゆえに怯えることがある。

数年前、会社がたちゆかなくなったとったとき…、毎日、頭のなかで自問自答した。“どうしたらいいんだろう?”“解決策がみつからない。”“どうしたらいいんだろう?”
家族に保険金を残そうと自殺を考えたこともあった。
そのうちに、ストレスがどんどん溜まって、限界を越えた時に、病気で本当に死にかけ…そうこうするうちに、自分の内で死ぬってどういう事か…生きるってどういう事か…分かってきた。今でもその時に思ったことが、正しいと信じている。

今では、そこまで気が付くために、それまでの人生があったことが良く分かる。そう思うと自分の人生に無駄なものがないことに気が付く。

私には、もう死は未知のものではなく理解の範囲内であり、人生は常に今の自分を作るためにあり、感謝すべきものである。

もう、夜中に足音の聞こえなくなった私は、私の耳元でそっと囁いてくれる神のいないことも知っている。