昨日の昼、閉鎖中だった山道の入り口付近を通ったら、通行止めの標識はなくなっており、前を走っていた車が坂道を登っていく光景が見えた。10日ほど前に通過した時にはまだバリケードがあったから、つい数日前に復旧したのに違いない。仕事を済ませ、用心しながら帰り道に通ってみることにした。6月の末から通行止めが続いたから三ヶ月半ぶりの帰路である。いつもよりゆっくり上っていくと、問題の崩落箇所の下を通り過ぎた。木々で覆われていた幅30m高さ20mの部分が真新しいコンクリートで固められていた。事故直後は完全に土で道路が埋まっていた様子が想像できる。ちょうどその上に展望台があった筈だから、6月26日に観光気分で現場にいた人は、さぞかしびっくりしただろう。ニュースにはならなかったから崩落に巻き込まれた車や人は無かったと思うのだが…。これから、またこの道を利用することになるだろう。しかし今まで以上に雨の日や大雨後の数日間は違う道を通るつもりだ。明日の朝、カメラを持って、久しぶりで町を見晴らす山の上に立ってみるつもりだ。この夏は温度が高くて海面近くに水蒸気が溜まっているようで、遠景がいま一つきれいに見えなかった。この数週間で急に写真日和が現れはじめたので、近いうちに紀伊半島を臨む納得いく写真が撮れるかもしれない。 瀬戸内海国立公園にあるこのたびの崩落箇所はおそらく海から眺めたなら、新しいコンクリートの壁は、木々の緑のなかの…きっと汚点となって映っていることだろう。それにしてもほんの少し、地球の表面が動いただけで、人間はどれだけ大騒ぎすることか…。そう思えば、あの震災も地球規模からみたら、くしゃみほどもない変化だったに違いない。 三ヶ月半に渡って復旧に努力された方々に、「お疲れ様でした。」と心のなかで言っておこう。 |