私は、頭が柔軟そうに見えて、度胸があって、スピーチなんぞさせたら笑いを交え聞いている人を退屈させない話ができるように思われがちなのだが・・・実はそうではない。数年前まで組織を率いていたときは結婚式の主賓やら、会合での挨拶とか、或いは簡単な講演など頼まれることもあったけれど・・・そんな時の1/4は滑ったように思う。一度なんか400人が出席する結婚式の主賓スピーチで頭が真っ白になって例の最悪の状態・・・しゃべる内容を忘れて気まずい静寂が続いた事もあったし、私は結構小心者で舞い上がってしまうもので、原稿まる覚えでの失敗が数々あったものだ。この数年はあらたまって人前でしゃべることもなく、そういう極度の緊張から離れて生活していたし、多少以前より自然にしゃべれるようになったと思うのだが、はてさて・・・このたびのギターの発表会では、今の時点ですでに少し緊張気味。この分だと本番でどうなるかと心配するところだが・・・反面私の本当の実力や姿を人前に曝すことに今までにない快感を覚えているもので・・・ええかっこの私ではなく、私より若い人達にもつたない私の実力を見ていただけたら幸せかなと思い、発表会当日には緊張よりも快感が勝っているようにコントロールできたらいいなと考えている。 ここのところ毎日書いているが、仮面やらの力も借り、自分を曝け出して本番を迎えられたらいいな・・・と思っている。だから、私にとっての発表会は演奏云々の話ではなく、飾らない自分を人前に曝すこと・・・これが、この年齢になった私の発表会にあてた目標である。こんな思いをもっと若いうちから持っていれば、もっと楽しい人生だったかしら・・・いやいやこんな、“もし・・・だったら”の話はやめておこう。今が充分幸せなのだから・・・。 最後に一つ自己弁護しておくが、そんな私でも、たまに人の心を打つスピーチをすることもあったことを付け加えておきたい。 |