人間の脳は、普段その能力の一部しか活動していない・・・と脳学者は言うけど、それは本当のことだと思う。サバーン症候群の人たちは、一度見た風景を写真以上の精度で再現できたり、交響曲を一度聞いただけで写譜したり・・・この偉大な能力が、突然変異でその人だけに与えられたものであると考えるより、全ての人間がその能力を持っているが、なにものかの意図があって、能力をフル稼働させないリミッターが装着されている・・・と考える方が納得できる。 車で言うリミッターというものは、暴走を防ぐために付けられているわけで、運転技術のない初心者がスピードの出しすぎで事故を起こしたり、エンジンの回転が上がりすぎて爆発してしまうことを避ける役目をもっている訳だが、きっと人間も現在持っている肉体は、全開した頭脳に対応できるだけの能力を備えていないのだろうと思う。やはり脳(心か?)は偉大なる力(すべて)と結びついていて、この世界のなかで敢えて不完全な人間という箱舟にのって、悩み、苦しみ、喜び、泣き、笑い、挫折を経験し、悟る・・・という旅に出ているような気がする。 |