自分が見ている世界が、写真の世界でないと気がついた時、私は上手い絵には興味がなくなった。そして、時間をかけた上手く見える絵を描かなくなった。上手い絵は、知識を得て手順を踏めば誰でも描ける。そんなことはないと言う人が多いが(私は指導者ではないので試したことはないが)私が教えれば誰でも、人から上手いと言われる絵を描けるようになると思う。 対象の部分よりも全体イメージを曖昧に捉える感性が高い作品に興味がある。上手く描こうと思わない絵・・・人に見られることを前提に描いていない絵・・・自分の感情とシンクロしている絵に惹かれる。小さな子供が描いた絵の多くがそれにあたる。 ティーカップの楕円とソーサーの楕円は、少々互換性がなくてもかまわないのだ。 残念ながら、私は私が惹かれるそんな絵が描けない。頭では理解できているのだが、絵を描く段になると私には芸術に向かうだけの純粋さが今は欠けている。 だから・・・気がついた感性を大切に見て楽しもうと思っている。 今は、それでいい・・・(続く) |