私の子供の頃、光化学スモッグや煤煙という言葉が日常会話のなかで飛び交っていた。昨年できた新語で“電気予報”なんて言葉もあったけれど、当時は“光化学スモッグ注意報”なんて今では忘れ去られてしまった言葉もあった。その警報が出たら運動場に出られなくて、体躯の授業も講堂のなかで行われたように思う。
それに雨粒には放射能が入っていて、直に皮膚にあたると毛が抜けるなんてこと言われていたから、あの頃はちょっとした雨でも絶対傘をさしていたな…。
中国がその頃バンバン核実験やっていたんだと、今になってよく分かる。
原発事故で、それまで縁のなかった新しい言葉をいっぱい聞かされて、今では日常語になった言葉も沢山あるけど、そんな言葉が忘れ去られる新しい時代が、早く来ればいいのに…と、ふと思った。
写真は昨日の早朝、大阪駅を望む高層ビルの窓越しに撮影した風景である。小雨がけむり、遠方のかすんだ町並みを見ていると、晴れた昼間でも陽が差さなかった煤煙で汚れた子供の頃の風景を思い出した。
きっと、現実の中国では、以前の日本のような空気の汚れた景色に違いない。
日本という国の、危機に際しての改善能力の高さを信じたい。 |