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SOLILOQUY

ひとりごと

 
January 19, 2014 15:30:44

片付

カテゴリー: 日記
会社から駅までの通りの途中に、小さなレストランがある。そば粉のガレットの専門店だ。値段も手ごろで、内装や調度品もしゃれている。
店に入ると目を引くのが壁にかけられた一級品の版画(リトグラフ)である。私に言わせれば版画を飾るためにつくったお店のようである。

もともと店のオーナーは料理学校の先生で高級フレンチのオーナーシェフでもある。一昔前、レストランウエディングで儲けた金で買い集めた美術品のコレクションを置くためだけにマンションまで購入したと言う好事家だ。今ではフレンチレストランとガレットの店は他人に任せ、自分は新鮮で美味い食材をもとめて山のなかに引っ込み、予約客だけの小さなオーベルジュに張り付いている。

昨日通りがかりに気が付いたのだが、ガレットの店のなかが、貼り紙もなく片付けられていた。今朝通ると椅子やテーブルが運び出されており、人の気配がない。
どうしたのだろう?店を閉めるのだろうか?それとも改装するのだろうか?

確かに、路面店なのに客はあまり入っていなかったように思う。店のオープン時にオーナーと話したことを思い出した。“他人がなんと言おうと、自分の好きな店を思うスタイルでやれるって素晴らしいですね!他人がとやかく言うことはないですよね。”

自分の夢を形にした彼は、どんな気持ちで今をむかえているのだろう?
これが改装であってほしいと願いつつ、通り過ぎるだけになっていた自分を少し責めた。
シェフには夢を追っていてほしいと思うのだ。