私は化粧の厚い人は、あまり好きではない。 色の黒い人が白くなり、目の小さな人が大きくなり、鼻の大きく低い人が小さく高くなり…、私の好きな作家で、だまし絵で有名なマウリッツ・コルネリス・エッシャーというオランダ人画家がいるが、化粧というものはいわゆるだまし絵みたいなもので、非現実的な世界として客観視するのは良いが、現実世界のなかでは詐称行為に値するように思うのだ。 なんてことを言いながら、女性の化粧にあたる髭を生やしたりしている私ではある。 なんてことを言いながら、たまに現実のなかでだまされている私である。 少し見方を変えて、シャドーやカラーリングで人格を変えてみせる化粧のテクニックは、だまし絵と同じ類の芸術性があると考えると許せるものがある。 この際、現実世界は騙し騙されの駆け引きが面白いのだと考え方を変えてみようかしら、そしたら、女性と話をすることが、もっと楽になるかも知れんな…。 意識し過ぎかもしれんな…。 |