近頃、牛肉をあまり食べなくなった。若い頃は牛肉が一番のごちそうだったから、チャンスがあれば、いくらでも食べたいと思った。特に脂のよくのった肉なんぞたまにステーキ屋で食べたいと思ったけれど、最近ではそんな肉が運動不足の病気の肉にみえてきた。 家で食べる肉は鶏肉や豚肉が多くなったし、それより魚を食べる機会が増えてきた。 マクドナルドもケンタッキーフライドチキンも久しく食べていない。 それでも、たまに牛肉も食べたくなることがある。そんな時は少しだけ口に入ればいい…。病気の肉は多くはいらない。 年をとっても、少しは毒を食うのがいいに違いない。 あーっ 年をとったものだ…。 |
昨晩、知人の経営するレストランに、市の幹部と日本を代表する政治学者が食事をしにきた。昨日の昼頃、店にSPが事前調査に来ていたから、いかに大物かがわかる。 レストランとしてはレベルの高い店だが、売上が減っているようで主人の機嫌が悪い。売上が良い時には聞かなかったが、うまくいかなくなると“場所が悪い”と最近良く言うようになった。 さて良い場所とは、どんなところだろう。駅前の通りに面しているガラス張りの場所だろうか?でも、そこにはVIPは来ないだろう。主人はVIPが食べに来る店だということを誇りにしているようだから今の店がいい場所だと思うのだが…。 主人は、本当は分かっているに違いない。場所のせいではないことを…。誰かの責任にすることで自分の力のなさを誤魔化していることを…。 主人の店には、最近“看板犬”と称する犬が徘徊している。フランスのレストランやドッグカフェなら分かるのだが、日本のフレンチレストランではね? 私には、売上が低下してきた原因は、看板犬のせいだと思うのだが、主人は犬がお客を呼んでいると言い張っている。 犬が店に来た時に、私は思い切って注意したが、自分の思いと違う声は聞く気がないようだ。 だから、主人は犬好きとVIPだけが来てくれる店を目指しているに違いない。そうであれば“場所が悪い。”なんて泣き言は言わないほうがいいと思うのだが…、まぁー、あまり私が気にすることはないよなー。主人のことは好きなんだけどなー。 |
世の中には大人が少ない。私が大人の仲間入りができた時…は50才を過ぎていた。中学生の時から子供と二人で生活したが、子供の私が、よく自分の子供を育てたものだ。まさに彼が登校拒否をしていた時…なすすべがなかった。 あの頃は、死ぬことが恐かったし、世の中には自分ではどうすることもできない壁があると思っていたし、背伸びして大人のフリをして生きていた。 今では、数秒後に死んでしまうこともあると思っているし、世の中には乗り越えられない壁はないと思っているし、こどものように周囲に囚われないで自分を表現できる。 これからの人生は、いい大人の顔をして生きていきたい。 そんなことを考えていたら、自分が数少ない大人のなかの、まだ子供だと思えてきた。 死ぬまでに本当の大人になれればいんだが…。 ダメなら生まれ変わって、また大人を目指して生きることにしよう…。 |
私から何も告げずに離れて行った人がいて、離れて行った理由が10年分からなかった。先日彼女との共通の知人との会話のなかで、その話題になり私の心当たりの理由を話してみた。すると知人は最近彼女から思いを告げられており、私の心当たりがすべて正しいと言ってくれた。 それを知ったら、はじめて“申し訳ない。悪かった。”と言う思いが腹の底から湧いてきて、改めて彼女の幸せを祈った。 私は、あの当時と比べ格段に成長できた。そうなるまでに10年と言う時間が必要だった。その時間を与えてくれたすべてのものに感謝したい。 |
IKEAに行ってみた。今、仕事用のデスクチェアを探している。少し良いものがほしくなった。 高いもので2万円程度の見本がたくさん並んでいた。もう一つピタッとくるものがなく、IKEAを出て大手の家具専門店にも行ってみた。そこでは私一人に一人の営業担当者が付き、売場まで連れていかれ説明を受けた。最初に見せられたのがアメリカのメーカーで一脚が16万円のものだった。同じ価格帯の商品説明が続いた。 次に店の一押しだと言う6万円台の椅子を見せられた。安く感じた。私は基本的な営業テクニックにはまっていると思った。 しかし自分で座ってみたら、確かに座り心地が良く、担当者の説明もありIKEAの椅子との違いがよく分かった。1時間ほど説明を受け、次の予定があったから即決せずに店を出た。 最近安いものばかり買っていたから、久しぶりで良いものが良いという感覚が蘇った。特に椅子は靴と同じように長時間身に付くものだ。本当に自分にあったものは少々高くても手に入れるようにしようと思った。 そうすれば、もっと良いことがやってくると言う感覚を思い出すことができた一日だった。 私は、今…人生のおいて良い流れのなかにいるに違いない。 |
私が宝くじで1億円以上当たったら、みんなでアラスカ旅行に行きましょう…と、マダムに言った。 今、サマージャンボが売り出されているが、私は昨年買ったサマージャンボの宝くじを、当選番号を確かめずにそのまま持っていて、おそらくこれが当たっていると信じている。 気を付けなくてはいけないのが、引き換え期限が近づいていることだ。確か8月半ばを過ぎるとなにももらえない。 いつも、新しいくじを買いに行った時に前回買ったくじを売場のおばさんに見てもらっているので、1年近く買ってないことになる。 次回はいくら買おうかな? マダムをアラスカに招待する時は、その間の休業補償も必要だろうか?いや、それはないだろう。 …なんてことを考えていると、幸せになってくる。 |
私が若かりし頃に訪ねたアメリカの田舎町。 近いうちに、また行こうと思いつつ、35年が経ってしまった。あの町で出会った美術館のキュレーターやホテルのスタッフは、もういないだろう。家を訪ねた画家は病気で手が動かなくなり、あの町を離れたと30年前に報せを受けた。きっともう亡くなられたに違いない。 もう一度町を訪ねると声をかけた…、今はもういない町の人々の約束を果たしたいという思いが頭をもたげた。 この35年で、町は、何が変わり、何が変わらないだろうか? この35年で、私は、何が変わり、何が変わらないだろうか? 確かめてみたいという思いで、今秋、旅に出ようと思う。 |