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SOLILOQUY

ひとりごと

 
June 09, 2013 15:06:31

労苦

カテゴリー: 日記
このたび、私が25年前にお世話になった方に会うことになった。すでにご主人は亡くなっており奥さん一人で訪ねてこられた。
20年ぶりで出会った彼女は思ったほど老け込んでおらず、お元気そうに見えたが、話し始めた…この20年間の彼女の人生は、山から谷への大変動のなか、最近やっと落ち着いたのだと分かった。

ご主人が亡くなり、何不自由ない人生が一転…、家屋敷を手放し、助けてくれていると思っていた知人には裏切られ、子供達が通っていた外国人学校(英語)も、授業料の大半を免除してもらい本人が授業前に学校で掃除のアルバイトをさせてもらいながらの卒業だったと言うのだ。

それでも、彼女は誰も恨んでいない。身に降りかかった苦労は全て、これから人生を生き抜くための糧となったのだろう。今の彼女の顔には慈愛が満ちていた。仕事をしながら老人介護のボランティアもしっかりこなしている。

目の前におこるすべてのことは、これからの人生を生きるために必要なこと…。
彼女はきっと、そう結論に至ったに違いない。

彼女とは、今後もお付き合いすることになるだろう。

それにしても、私の周りには、転がり落ちた人生を歩む人達がどうして、こんなに多いのだろう。
そして、みんなそのことを、しっかり栄養分として自分のなかに取り込んでいる。

それは、私が以前同じように生きたからに違いない。