私には互いが犬猿関係の二人のどちらとも親しく付き合っているケースがいくつかある。彼らの多くは、最初は互いにある程度友人関係で、場合によってはとても親密な関係の場合が多い。そしてもう一つの共通点は利害関係にあるという事だ。 犬猿関係になるための手順を整理すると…、先ず利害抜きの親しい関係であることから始まる。そのうちに意気投合して利害関係が発生し、しばらくすると相手の、それまで見えていなかった常識外れの言動や行動が目に付き始め、そうなると相手のすべてに嫌悪感をいだくようになる。こんな手順である。 相手との関係を完全に切ってしまいたいと思っても、利害関係があるから離れられない。そこで犬猿関係が生まれるのだ。 私は、親しく付き合う人とは利害関係を持たない。逆に利害関係を持つ人とは必要以上に親しくならないように付き合うことを鉄則としている。 それを心がけたらいつでも客観的にいられるし、離れられるし、煩わしくもない。 私に親友と呼べる人間が一人もいない理由は、そんな鉄則をもっているからだろうか? |