昨日、オリーブ研究家の教授からメールが入り、私の仕事場の近くでオリーブの植樹をするから時間があったら出てこないかと誘われ、小雨降るなか小さな美術館に足を向けた。ついてみると、先生は植栽の真っ最中で話のできる状態ではない。私も苗運びを手伝うはめになった。
雨は本降りになり、仕事の手を休め館内のカフェでに入り、ボランティアで先生を手伝う初老の男性(郵便局に勤める自称カメラマン)といっしょにお茶を飲んだ。
先生が私に手渡したものは、A4100枚に及ぶ先生の研究論文と、明治前半に出版された日本初のオリーブの育て方を記したカラーポスター(?)、それに明治中期に出版された“果樹栽培全書”という書物であった。いずれも白手袋をしないといけないような資料を先生は、いとも簡単に私に手渡したのだ。先生がいかに私を信用していただいているかを重く受け止めた。
現在、居留地時代の絵本(絵解き本)を作成中だが、完成後にはオリーブの本を作ることになりそうだ。私の書きたい小説は後回しにすることしよう。今は先生の期待に答えたいという思いが強い。
他人から信用されることは有難い。信用を裏切らずに生きていきたい。
小降りになった雨のなかを、決意を新たに坂道を下った。 |