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SOLILOQUY

ひとりごと

 
September 27, 2012 14:56:11

墓碑

カテゴリー: 日記
昨日触れた湖の近くにある外人墓地は、生まれ故郷を離れ極東の港町で一生を終えた外国人が葬られた墓地であるが、もちろん多くの外国人が母国に戻って余生を送った。

我が町の居留地の設計者(区画・道路・設備等)で知られるJ.W.Hart氏は極東で優れた仕事を残して英国に帰った。
私の友人の歴史研究家のこの度の英国調査旅行の目的の一つにHart氏の墓碑を訪ねることにあった。
歴史研究家にとって、墓碑に刻まれた文字は亡くなった人の事実を語る重要な資料となる。これまでに私は研究家と共に横浜・長崎・神戸の外人墓地を訪ねたことがある。


歴史研究家は、調査の報告と題して、ロンドン郊外のハムステッド墓地の画像を送ってきた。あなたが墓地の写真に興味があるかどうか分からないが、ご紹介しておくことにする。おそらくあなたは、J.W.Hart氏の現在の墓碑の状態を知る世界中の数人のうちの一人になるだろう。

研究家は墓守といっしょに藪の中に傷だらけになりながら分け入って、やっとのことで見つけたそうだ。
研究家は発見の状況をこう語った。

彼、彼の夫人と息子さんの3人分の墓碑ですが、碑銘はもはや判読不能。
埋葬記録によると、
John William Hart 1900年12月8日没 63歳
住所:26, Russell Road, Kensington, London

研究家は、最後に一言メッセージを添えていた。

我が町で骨を埋めた人々。母国に帰った人々。
こと墓に限れば、我が町で亡くなった人々が一番幸せです。
(貴人と軍人の場合を除いて)修法ケ原ほど丁寧に維持されている外国人墓地は、他にありません。

訳あって我が町で一生を終えた異国の人達、訳あって母国に戻った異国の人達…
その御霊の安らかならんことを…。