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SOLILOQUY

ひとりごと

 
September 05, 2012 10:54:28

一目

カテゴリー: 日記
マダムの店では、今…町で一番人気のパン屋のパンを使ってローストビーフサンドやオリーブオイルだけ塗ってさっと焼き上げたスライスしたバケットをメニューに出している。

フレンチレストランを経営していたマダムはシェフに料理を任せていたから自分自身は、あまり料理が得意ではないと言う。そんなマダムは、料理の素材と調味料やオリーブオイルには、神経を使っていて、そんな彼女が選んだパンを使ったサンドイッチだから、私も週に一度はワインのあてに食べに行く。

先日食べに行ったとき、マダムが、こう切り出した。“今日のパンは、いつもより香りが少ないと思いませんか?いつもは包丁を入れたときにパッと広がる香りがあるんですけどね…。”
そう、言われてもピンとこない私の言葉を待たずに、マダムは続けた。“シェフに言ってあげようかしら、でも余計なお世話だと思われるかな?電話では話しにくいからFAXを入れようかしら…どう思われます?”と聞かれて、私は“マダムなら、言ってあげてもだいじょうぶだと思いますよ!”と、幾分無責任に答えた。

あくる日、入れたてコーヒーを飲みに行ったマダムの店で、思わぬ顛末を聞かされた。
“昨日あれからFAXしたら、しばらくして突然シェフがやってきて、香りが薄かった考えられる理由を二つ説明してくれたの…一つは当日の温度変化…急激に気温が下がったので室温調整がうまくいかなかった…もう一つはお店が長期休暇をとっていた後の火入れだったので短期発酵の状態がいつもと変わっていたかもしれない…と説明してくれて、味はお店に出してもいいレベルだとスタッフと話し合って店頭に出したが、この度のマダムの指摘を受けて、お客様の目は鋭いといいということを肝に命じ、これからもっと厳しい姿勢でパン作りします。”と言って帰ったと言うのだ。

私には、分らない専門性の高い物づくりの話である。
この度の話で、マダムがシェフ仲間から一目置かれていることが良く分かった。

マダムの感覚を信じているから、これからもマダムの店に通うことになるだろう。