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SOLILOQUY

ひとりごと

 
September 11, 2012 15:08:11

開眼

カテゴリー: 日記
前回のギターレッスンの時の、先生との会話でのことだった。
先生のアルハンブラの思い出の演奏を聴いて、ベースを弾いた後の最初のトレモロまでに間(溜め)があることに気が付いた私は、そのことを先生に話した。すると…先生は弾いていないトレモロがある…と一言答えた。それを聞いて私ははっとした。言い換えれば、弾いていないのに弾いているように聞こえる音がある…と…。

私が20才代前半の頃、レンブラントの原画をもとめて、欧米の美術館巡りをしたことを思い出した。何枚もの原画と接して、レンブラントの絵画は、描いていないのに描いているように見えることを知った。細かく描かれているように見えた衣装の装飾や宝飾品の表現は、近づいてみると思いもよらず粗いタッチなのだ。それでも描いてあるように見える。

レンブラントは、人がどのように物を見ているか分かっていたに違いない(目が悪かったとも言われるが…)。同じように人は音楽も一音一音をクリアーに聞き分けているわけではなく、音を流れとして聞いているのに違いない。

音を流れとして理解した私は、確実にギターの腕がワンラック上がった。

これから、他人の演奏を聴いた時にも、今まで聞こえなかった音楽が聞こえるに違いない。
これが開眼と言うものだろう…。