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SOLILOQUY

ひとりごと

 
October 01, 2011 20:24:05

終演

カテゴリー: 日記
昨日のコンサートは大成功だった…と、思ったのだが、
最後の演奏が終わり、ピアニストとすべての観客が帰路につき、先生を自宅まで送るためスタッフが一足先に1階の駐車場に下りた後、ギターの先生と奥さんの二人だけがホールに残った。“もうちょっと弾かせてもらってもいいかな”と言われ、友人と食事の約束があるから駄目ですとも言えず“はっ、はい…どうぞ”と答え、二人のやりとりを見ていると、“どうしたんやろ?このギター…演奏会が始まったら急に音が出なくなった。こんなことはじめてや。”かなり深刻な様子である。先生は物足らない音しか出なくなったギターを弾きながら“考えられることは、ギターがピアノの大音量の振動にさらされてビビッてしまったのかも知れない。”と眉間にしわを寄せながら言った。奥さんが答えた。“だから、ピアノの演奏中はケースに入れておこうと言ってたのにね。”

誰もいなくなり照明の落とされたホールの真ん中で二人はスポットライトを浴びながら話し合っていた。

先生が突然、私に向かって言った。“こんな時は、どうしたらいいだろ?”私は“何も考えないことです。どうせ、今、答えはでないでしょ…。”

そしてやっと二人は駐車場に向かってホールを出た。
先生を送るため同じエレベターに乗り込んだ私は心のなかで思った。“先生!ビビったのはギターじゃなくて、先生のほうではなかったんですか?”

他にピアノとギターのコンサートが企画されない理由が演奏後に先生の肩にのしかかってきているように思った。
私は、大成功だと思ったこの試みは先生プライドの一部を砕いたように思った。
第二回目は11月18日(金)に予定されている。それまでに先生が復活することを祈る。

“先生、頑張れ!”