昨日、久しぶりにギター教室へ行った。しばらく行かなかったのは、私の都合ではない。先生の予定が詰まっていたからである。教室に入ると先客の若い女性がレッスンしていた。少し気になる存在のその女性(彼女に女性を感じたのではない)のレッスンが終わり、私の番となり席についた。普通なら爪を磨き、ギターの調弦をし、レッスンが始まるのだが、昨日は私から先生に“絵”の話題を振った。するとお互いギターを抱えたままで話が弾みかけた。帰り支度が済んで席を立とうとした彼女を先生が私に紹介した。彼女は先生から渡されたギター教本の挿絵を描いた人物だった。自然で素直で気取らない絵を描いた人がどんな人物か興味があったのだ。この教室で最も会いたいと思っていた人物に、こんなに早く出会えた。私の願いが現実化していく・・・私を中心に世界が回る・・・そんなパターンにはまっていると改めて思った。教室の壁の少し上にポツンと一つ掛けられた1号キャンバスに先生の好きな言葉が書かれている。『偶然ほど、必然的なものはないのです。』・・・まさに今日の全ては必然と言えるのだろう。ほとんど話もしないうちに、しばらくして彼女は絵のモデルになるため教室を後にした。 その後、私と先生は自分の思っている“世界感“を話し合った。先生は“音”の世界をベースに実体験を通して・・・私は“絵”の世界をべースに直感と推測をもとにして・・・ベースは違っていても、お互い思っていることが同じであると認識できた。 次の生徒が来るまでの2時間、ギターを抱えて話し合った。結局全くギターを弾かずにケースに仕舞い込んだ。先生が「こんな日もあるよ!」と言った。私もそのとき「こんな日もあっていいんだ!」と思っていた。 |