私の知っている24才…芸大卒のフリーターの男性が、正社員ではないがあるディスカウントショップの企業に勤めることになった。彼が今までに学んできたことが、そのまま活かせる仕事だとは思わないし、これまでと同じように作品造りを続けていればいいのに…とも思うが、本人が自分の年齢で定職についていないあせりを感じたのだろう。 まぁー、今のうちに、いろいろやっといたほうがいいかも…。 彼は日本人だが幼稚園・小学校・中学校と日本の義務教育ではなく華僑の学校に就学し、中国語を話す生活を続けた。私は、語学をアピールする仕事をしたら…と、常に彼に言い続けてきたが、これまで耳を貸そうとしなかった。 今の職場の面接のときに、面接官に中国語が少し分かると言ったら、顔つきが変わったそうだ。今時のことだから、その店の顧客層には中国人も多い。同僚に中国人もいるらしく、その人のそばについて、しばらく仕事すれば、忘れかけている中国語を思い出すだろう…と、彼は私に嬉しそうに語ってくれた。 自分のもっている能力を知って、うまく利用できている人は少ないのだろう。 でも、いつか、自分の力を発揮できるチャンスがやってくる…と、信じたい。 と…言うより、本当は、手を伸ばせば届くところにチャンスは流れているに違いないのだが…。 彼が、これからも作品造りを続けていくと信じたい。 |