明治時代…私の町に、日本で最初のオリーブ農園ができた。明治時代に閉園したこのオリーブ園のことは、あまり市民に知られておらず、どこに存在したかを答えられる人も皆無であった。昨年、ある大学の農学部の教授の研究発表のなかで、農園の場所が特定され新聞でも話題になった。 今から、たかが百数十年前のことなのだが…明治時代に存在したと言う確かな記録が残っていない理由の一つに、当時オリーブというものの存在が日本で普及しなかったことがあげられるだろう。実際にはオリーブにつく害虫被害によるものだと思われるが…。また空襲による資料の焼失…。まさにこの度の教授の研究がなければ私の町のオリーブの話は永遠に人々の記憶から消えてしまっていたに違いない。 日本でオリーブが日常的な存在になってきた昨今、私の町でオリーブの樹を町ぐるみで植樹し育てようと言う動きがある。 その関係で私は、明日教授を訪問することになっている。 私達の町のDNAを蘇らせる研究をされた歴史学者ではない農学者に会うのが楽しみだ。 |