昨日マダムの店でコーヒーを飲んでいると、マダムが突然私に相談があると前置きして“土曜と日曜の昼にだけ出しているローストビーフサンドをサンドウィッチを止めて同じ値段でコース風のローストビーフランチに変えようと思うのだけれどどうでしょう?”と尋ねられた。私は、週に一度はサンドウィッチを食べ昼からワインを飲んでいるこのメニューの固定客だ。最近他の客の入りが悪く、サンドウィッチという響きに限界を感じ、マダムはなにか変えようと悩んでいることが分かった。 そう言えば私がサンドウィッチを食べている時には、いつも他の客はいなかった。 “私は、サンドウィッチでもコース風のランチでも、どちらでも食べに来ますよ。ローストビーフをパンに挟まず皿の上に見せるのなら肉のボリュームをあげて、その分値段を上げたらどうですか?値段が高いか安いかは内容と値段のバランスがとれているかどうかですから、今までの価格に囚われずに自信のあるものを提供して、それに見合った値段にしたらどうでしょう?今までのサンドィッチが沢山出ていたなら値上げには慎重であるべきだとは思いますが、それほど出てないなら今が値段を上げるチャンスではないですか?”と言うと“私の料理のレベルでは、今までの以上の値段をつける自信がないの。”とマダムは言った。“だいじょうぶですよ。マダムの料理の腕は充分レベルアップしていますよ。自信を持って出さないとお客は、そこのところを見抜きますよ。”“そうね、そこのとから考えてみようかしら…。ありがとう。”とマダムは言った。 4月には消費税が上がる。いろいろな人がマダムのような悩みをもっているのだろう。 私も、無責任な意見を言わないように、尋ねられたら慎重に答えようと思った。 |