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SOLILOQUY

ひとりごと

 
February 26, 2014 13:06:59

謎人

カテゴリー: 日記
マダムの店はガラス張りで、どんなお客が来ているのか外から分かる。昨日、帰り支度で店の前を通ったら、久しぶりに謎の京都人の後ろ姿が見えたので店に入ることにした。

彼は、みんなから謎の…と言われるだけあって、少し変わっている。
彼の仕事がなになのか、付き合い始めて4年以上になるが、私の周囲の人は誰も知らない。いつも高価な原色系の服を着ていてカッターシャツはオーダーメイドだ。靴とか鞄はおそろしくピカピカに磨かれており、風体は、いわゆるおしゃれ風である。昨日彼の顔を見ていると眉毛も細めにカットしてあった。ひょっとすると男用の化粧をしているようにも見える。目を大きく釣り上げて笑っている印象が強く。自分で面白いことを言って、自分で笑うことが多い。テレビは見ないがアイパッドを使いこなし情報量が多く、AKBのことはやけに詳しい。食べることが好きで有名店にはよく一人で訪ねている。自分の家の中に防音室を作り、夜中にそのなかでベースを弾きまくっている。彼女は沢山いるようだが結婚は考えていないと言う。少林寺拳法を習っており、夜中に道を歩いていて誰かに襲われるのを待っている。相手を、ぼこぼこにするつもりだ。

そんな彼が、私たちのグループが定期的に誰かの誕生日を出汁にして集まっている会を卒業したとマダムから聞き残念に思っていた。昨日そんな彼をみかけ話しかけたが、いつもと同じ彼だった。気が付かれたかもしれないが、彼は恐ろしくデリケートな一面を持っている。下手に話題をふって卒業に向けて神経を逆なでることのないように、私はそのことには一切触れなかった。

3月4日に、また誕生会がある。
彼が、これまでと同じように参加してくれることを願いながら、店を出た。
みんな、少し変わっている彼が好きなのだ。