毎年12月に私の会場で、毎回違うゲストとともにクラッシクからポップスまで幅広いジャンルの歌を披露し、100人ほどの聴衆を集める女性歌手がいた。いつもなら半年前の7月くらいに予約が入るところなのだが昨年は連絡がなかったので、きっともっと大きな会場に移っていったのだろうと勝手に考え、少し寂しく思っていた。 今年届いた年賀状のなかに、見覚えのない苗字があった。よくみてみると彼女の名前をみつけ、ご主人の姓(これまでは旧姓も書かれていた)だと分かった。手書きで“また、お世話になると思うのでよろしくお願いします。”と書かれており、会場の浮気ではなく、きっとお子さんが生まれて手が離せなかったのだろうと想像した。次回はきっと赤ちゃん連れでコンサートを開いてくれるに違いない…などと勝手に推測をして、しばし葉書を見つめた。 IT時代が到来し、年々年賀状の数が減っていると言われるが、逆に年賀状の良さを認めている人がいるから一気になくならないのかも知れない。 時代に反して、手から手に思いを運ぶ手紙や葉書を、これからもっと有効に使っていきたいものだ。そうすることがシュッとしてると言われる年齢に、私が到達したように思う。 |