10 年前に亡くなったご主人への思いを、いまだに断ち切れずにいる女性が私の目の前にいて・・・彼女の周囲の時間も動きを止めているように見える。いっしょに過ごした時間が僅かで死別した、人としての全てを知る前の、ただ素敵なだけの彼の姿が心に焼きついているのだろう。彼女が今、寂しさを紛らわせるために付き合っている結婚する気のない若い彼氏も、彼女の母親も、彼女の友人も、彼女の放つ刹那な世界観に飲み込まれて輝きを忘れている。 私にできることはないだろうか・・・ 止めてしまった歩みを、一歩踏み出せば、あなたの周囲の沢山の人たちが新しい世界への旅に出れるように思います。もう進みはじめてもいいのではないでしょうか・・・神様に時間という貢物を、もう充分捧げてきたのだから・・・ 私は、メールの送信ボタンを押さずに、消去した。 |
家での晩酌を止めたせいか、その分食事の量が増えたわけではなく、徐々に体重が減ってきた。今朝は76.5kgである。二ヶ月前に少し身体が重く感じたときには79.5kgだから順調に低下している。減量目標は75.0kgだ。うまくいけば二ヵ月後に達成か・・・。体重が減って肌の張りが少し失せたせいか、他人から「ちょっと元気なさそうね・・・」とか言われるようになり「恋煩いでね・・・」と軽く冗談のように答えているが、まんざら嘘でもない。ある女性の理解を超えた反応が気がかりで頭がいっぱいのことが最近多い。英語がパーフェクトな彼女の態度を、欧米人的な感覚だからと納得しようとしたが、それだけでは説明がつかない。探究心旺盛である私は、納得できる回答を探して考え込む時間が増えた。それが昨日の夜中に急に閃いた。彼女は子供の頃から自由に育てられ、注意されることも怒られることもなく、笑顔の裏にある人間の邪鬼の本性を知らずに大人になってしまったんではないか・・・こう考えると合点がいった。彼女は大人の姿をした子供なのである。彼女の、人の心を傷つけてしまう態度には全く悪意がないのである。さてここで問題が生じる。私が彼女に惹かれていた理由が分かってみると、やっかいだ。実にやっかいだ。天然の奔放さを抑えて普通の人に教育するのも、せっかくの彼女の魅力を半減させる。かといって今のままではわが手に余る。このように際限なく自問自答が続く。私はしっかり恋煩いに違いない。 |
今朝午前3時56分、携帯電話の呼び出し音が鳴った。眠りの浅かった私は“真夜中の電話には、良い報せがない。”と、今までの経験が頭をよぎりつつ、一回目の鳴動で電話をとった。「ALSOKですが・・・、○○○さんですか?さきほど○○○の一階で盗難事件が発生しまして・・・すでに警察も来て現場検証を始めています。」「分かりました。40分で行きます。」案の定の悪報であった。対向車のない高速道路を飛ばす途中、妙に落ち着いている自分が不思議に思えた。ビルの入り口付近の真っ暗な街路のなかに黒い人影がうごめいていた。通路には血痕が・・・ALSOKの隊員が犯人と遭遇し、頭を負傷し病院に運ばれたらしい。私が管理室内に入って共用部の照明スイッチを入れると、館内の捜査が活気付いた。幸い管理室以外の進入はなかったようだ。室内を物色した痕跡はあるものの、3万円あまりの駐車場料金のつり銭も異常なく、今のところなんの被害もない。5時半・・・警察の捜査が終わって静寂が蘇った建物を出て氏神様にお参りに行った。「いつも有難うございます。お守り頂いて有難うございます。何もなく有難うございます。これからもよろしくお願いいたします。」すると「こらこら、何が恋煩いや・・・もうちょっとしっかりしいや・・・他に考えることあるやろ・・・」と聞こえたような・・・聞こえなかったような・・・ もう少しきを引き締めたほうが良さそうだ。 殴られ負傷したALSOKの隊員の方・・・あなたのおかげで無事でした。有難う。早く良くなってください。 |
人間の魅力というものは、その人の持つ相反する人への接し方・性格そして印象が入れ替わる瞬間に生まれるように思う。例えばめったに仕事の出来を褒めない職人の親方が、“少し・・・分かってきたみたいやな!”・・・のような、ほんのちょっとした優しい言葉を、新米の職人さんに語りかけたりしたら、それまで鬼のように恐ろしく見えていた親方が、急に慈悲の心に満ちた仏に見えてくる。反してずっと優しくしてくれていた親方が、ある時一言“アホか・・・”なんて言ったりしたものなら、言われた側の目の前に一瞬にして???がちらつきだして、そのうち鬼の印象が焼きついてしまう。人の扱いのうまい人は前者に違いない。ずっと続く優しさは、相手をあまやかすだけ・・・そのうえで下手に厳しい言葉をかけたら、言ったほうの人間性まで疑われる。優しいだけ・・・は、みんなを破滅へ導きますよね・・・。男女関係もきっと同じですよ・・・お相手への要望なんてところに、単純に“やさしい人”なんて言う人多いけれど、“普段厳しく接してくれるけれど、ふとした言葉や仕草に優しさを感じる人”なんて言った方が、よっぽどリアリティーある大人だと思うな。料理の味を引き立たせるためには、決め手のスパイスも必要なことだし・・・ さてあなたの好みの異性は“やさしい人”それとも・・・ 私は、今までただ単に優しい人だったように思う。仏の心を持った鬼になりたい・・・と思う今日この頃である。 |
昨晩、幼稚園・小学校の時の親友と1年ぶりで酒を飲んだ。彼はテニスのレッスンプロ・・・浅黒い顔に引き締まった肉体の彼の外見に比べれば、老化防止のために負荷の低い筋トレやストレッチもどきをしている私の身体が貧弱に思える。だがしかし70才まで今の仕事を続けるつもりという彼は彼なりに、肉体維持や顧客維持に毎日想像を絶する努力をしているのだろう。一昨年彼は三度目の結婚をし、勿論今も仲良く暮らしている。17才年齢の違う奥様は、決して料理は上手くはないようだが、彼のランチはいつも健康を願う奥様の心のこもった愛妻弁当・・・ごちそうさまです。 彼に本音を囁いた。「最近、真剣にに再婚したくなって・・・まだこの人と思える付き合いのできる人はいないんだけれど・・・」と言うと・・・恋愛の先輩である彼が私にアドバイスをくれた。「おまえは、いい奴やから、いつもいい人で終わりそうやなぁー。それで終わったらあかんで・・・ここと言う時は抱きしめな・・・」恋愛のレッスンプロらしい単純明快な貴重なアドバイス・・・肝に命じておこう。 来年あたり、彼ら夫婦と4人で食事しようと誓ったが・・・さてその通り実現するだろうか? 私が、悪い奴になれるかどうかが鍵に違いない??? |
パラレルワールドという世界は、SFのなかでのみ存在するものではなく、私たちの普通の生活のなかにもあるような気がする。私たち人間はそれぞれの人が自分を中心とする世界を築き、自分の肉体を通して、あらゆる感覚(痛み・喜び・憎悪・苛立ち・怒り・恐怖etc.)を体験している。あくまでも自分が中心のはずなのだが、時折別の存在を中心とする世界のなかで旅をはじめることがある。例えば、新興宗教の教祖とかヒトラーのような独裁者とか、ビン・ラディンとか・・・ じつは我々の極々身近にもこんな世界は存在していて・・・恋愛なんてのは一種のパラレルワールドへの入り口かも知れない。愛する人の影響を受けて中心軸がずれてしまう・・・ この感覚、実は人生の経験値を上げていくためには、とても大切なことで、理解・経験を超えたことが目の前にあらわれることは人としてこの世界を生きていくうえで極めて喜ばしいことかも知れない。 今朝、パラレルワールドから本来の自分の世界に戻ってきた私は、こんなことを考えて納得している。楽しい旅だった。近いうちにまた新しい恋愛のパラレルワールドに出かけ、経験値をあげてみたい。 他人に振り回されていると感じる不安定な状態になっても、自分が中心から外れることはないと気づいた自分に贈る・・・ 参考資料《Wikipedia》 パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。 「四次元世界」、「異世界」、「異界」、「魔界」などとは違い、我々の宇宙と同一の次元を持つ。並行世界・平行世界と訳される。並行宇宙や並行時空といった呼称もよく使われる。 |
『かくれておられる神』 時のはじめ、神さまはご自分が創造なさったもののうちに身をかくそうと思いたたれた―伝説はそう伝えています。 どのようにして事を運ぼうかと神様が思いめぐらしておられたとき、天使たちがまわりにあつまりました。 「わたしは自分が創造したもののうちに身をかくそうと考えている」と神さまは天使たちに言われました。 「たやすくみつからないところにかくれる必要があるのだよ。わたしが創造したものたちは、わたしを探しもとめているあいだに、霊において、また理解力において成長するだろうからね。」 「地中深く身をおかくしになったらいかがでしょう?」と天使の一人が言いました。 神さまはしばらく考えてからお答えになりました。 「いや、人間は間もなく地を掘りおこす方法をおぼえて、土の下に埋もれている宝をことごとく見いだすようになる。わたしが地中深く身をかくしても、たちまち見つかってしまうだろう。それにわたしを見つけることにかまけていては、彼らは成長することができない。」 天使たちは適当なかくれ場所を思いつかず、黙りこんでしまいました。ひとしきり沈黙が続きました。 「思いつきました!」とべつな天使が言いました。「神さまご自身がおつくりになったものの奥深くおかくれになったらいかがでしょうか?人間にしても、自分の心のうちは探れないでしょうから。」 「それはいい考えだ!」と神さまはうれしそうに言われました。 そんなわけで、神さまはつくられたすべてのものの奥深くひそかに身をおかくしになりました。そのつくられたものが霊において、理解力において十分に成長し、自分自身の秘密の核への大いなる旅にあえて出発しようという気になるまで、神さまはそこにかくれひそんでおられます。つくられたものは、自分の核のうちに自分をつくられた方を見出し、永遠にわたってふたたび神さまと結ばれるのです。(イギリス) 《世界中から集めた深い知恵の話100(女子パウロ会)より》 今宵・・・やすらかにおやすみください。 |
今日は寝た。ただひたすら寝た。久しぶりに会社に行かずに、寝た…。先日出会った友人が「睡眠時間が短くなったら年やで、若い時はなんぼでも寝れたやろ…。」と言っていたが、ここ最近眠れない日々が続いていた。眠れるという事は、素晴らしいことだと思う。 若さの象徴だと言うこともあるが、目の前に心配ごとや悩み事があれば、横になっても頭が休まらない。私が昨晩から今日にかけて、こんなに眠れたと言うことは、私が目の前の壁を克服したからに違いない。そして私は今、しっかり前を見つめている。脱皮し再生し新たな自分として生まれ変わった。眠るということは、克服したことを忘れてしまうためではなく、克服した事を、自分の血と肉にするために必要な時間なのだろう。 私は、少し大きくなって、明日に向かう。 体重75kg代に突入…。目標値まであと少し…。 |
ギターを習いはじめてから1年が経った。今習っているのが“アルハンブラの思い出”というトレモロで有名な曲である。ギターを習い始めた日に先生に何か弾きたい曲があるかと問われ、“アルハンブラの思い出”と“ディアハンターのテーマ、カヴァティーナ”と答えた。「カヴァティーナは知らんな、アルハンブラの思い出にたどり着くのはいつのことやら・・・」とそっけなく言い放たれたことを思い出す。私は1年も経たずにアルハンブラの思い出の入り口にたどり着いた。でも、ただ門の前に立っただけで、自分のものになるのはまだ先の話・・・。先生の教え方がいいのか、私の努力の賜物か、暇なせいか・・・。ただ、少しづつ、少しづつ進歩している自分がいる。日々その歩みは分からないが、客観的に自分が眺められるとき、確かな歩みを感じる。この曲はあと1ヶ月で私のなかに入り、2ヶ月で、私の血となって流れはじめると予感する。今日はレッスン日・・・先生に次の私の目標“カバティーナ”を聞いてもらうつもりだ。どんな反応をされるだろうか? さて、ギターを習いたいきっかけとなった二曲が弾けるようになったら、どうしよう。 もう止めてしまおうか・・・それとも、さらに習いたい曲が生まれてくるのだろうか・・・ 自然の成り行きにまかせておこう。 |
今晩は、知り合いがやっているレストランで、フランス産仔羊を食する会があり、私も参加する。私はグルマンではないので、羊に大きな魅力を感じているわけではないのだが、本日の参加者が何故か女性が多く、男女のバランスをとるうえで(合コンではない)声がかかったと思う。と言うことは、複数の知らない女性と話をしなければならない役目があるようだ。私は気をつかいながら食事しなければならないわけで、いささか苦痛を感じている。昨日シェフと話をして、私の分のデザートは、飛ばしてもらうかポーションを小さくするように頼んでおいた。また会費制のこともあり少し良いワインの持ち込み許可をとっておいた。せっかくの体重の減少化傾向が崩れてしまわないように気を使いながら、こっそりと久しぶりの羊とワインを楽しみたい。 それにしても、この食事会のチラシ・・・、私には理解できない写真がはめ込まれている。その通り・・・かわいい仔羊の写真。この写真を使うセンスは、クリスマス時分にトナカイに見立てて鹿肉を提供する日本のフランス料理レストランのそれと同じに違いない。このセンス・・・どう考えても私には理解できない。サンタクロースのために一生懸命働いているんだ・・・ねぎらってやれよ!休ませてやれよ!・・・かわいいと思う感情と食欲を重ねるなよ!と一人でぼやいている。さて、私の感覚をどう思われる? と・・・このようなことを、長年フランス料理店を経営したマダムに話をしたら、野性動物・野鳥の狩猟解禁が単に11月だからで、クリスマスは関係ないんじゃないの・・・と教えを受けた。 なるほど・・・そうなんだ。 そうなんだ。 |