人間の魅力というものは、その人の持つ相反する人への接し方・性格そして印象が入れ替わる瞬間に生まれるように思う。例えばめったに仕事の出来を褒めない職人の親方が、“少し・・・分かってきたみたいやな!”・・・のような、ほんのちょっとした優しい言葉を、新米の職人さんに語りかけたりしたら、それまで鬼のように恐ろしく見えていた親方が、急に慈悲の心に満ちた仏に見えてくる。反してずっと優しくしてくれていた親方が、ある時一言“アホか・・・”なんて言ったりしたものなら、言われた側の目の前に一瞬にして???がちらつきだして、そのうち鬼の印象が焼きついてしまう。人の扱いのうまい人は前者に違いない。ずっと続く優しさは、相手をあまやかすだけ・・・そのうえで下手に厳しい言葉をかけたら、言ったほうの人間性まで疑われる。優しいだけ・・・は、みんなを破滅へ導きますよね・・・。男女関係もきっと同じですよ・・・お相手への要望なんてところに、単純に“やさしい人”なんて言う人多いけれど、“普段厳しく接してくれるけれど、ふとした言葉や仕草に優しさを感じる人”なんて言った方が、よっぽどリアリティーある大人だと思うな。料理の味を引き立たせるためには、決め手のスパイスも必要なことだし・・・ さてあなたの好みの異性は“やさしい人”それとも・・・ 私は、今までただ単に優しい人だったように思う。仏の心を持った鬼になりたい・・・と思う今日この頃である。 |