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SOLILOQUY

ひとりごと

 
May 31, 2011 13:32:41

神戸

カテゴリー: 日記
 空高くそびえる常緑樹、小さな湖にボート、車の行き来のない道路、小鳥のさえずり・・・そしてオゾンを含んだこのあたりの環境は私の生まれ故郷、イングランドのシレンセスター郊外のそれに似ている。
 日本で外国人墓地と呼ばれるこの墓地は、実に見事に日本人の手によって区画管理されており、日本人の我ら西欧人に対する敬意がみてとれ心地良い。
 神戸を訪れて2日目に戦前の欧米人の日本での貴重な生活実態を記録したオーストラリア人、H・S・ウィリアムス氏の墓参に行くという美紗子さんの車に同乗させてもらいこの地に立った。そして今、長い旅の末極東の地にたどり着き故郷に帰ることなくこの地に眠る今は語ることのない先人の日本への思いをより自分のものにしたいと言う思いがこみ上げてくる。大きくオゾンを吸い込んだ・・・この爽やかな青空はきっと50年前も、100年前も、もっとそれ以上前に繋がり、木立を抜ける風は昔から同じように吹いていたのだろう。私の祖先の足跡を辿る旅の最初に彼らの終焉の地を訪ねたことは、今は亡き人々の思いに近づくうえで印象的な出来事であった。
 日本でのこれからの私の動向も美紗子さんの力を借りることになるだろう。駐車場に一足先に向かった彼女の黒髪を遠目にみながら、彼女に出会えたことに改めて感謝した。
 真っ赤な車が目の前に止まった。サングラスを手に持った彼女が手招きをした。私は、助手席に座った。彼女の運転で次の目的地に向かい紅葉の始まりかけた山の道へ車は滑り出した。