私は、以前よく絵を描いていたが、今はあまり描くことがない。私は本質…絵を描くことが、あまり好きではないように思う。しかし、私がこれまでに描いた作品を見て他人は私が絵が上手いという。絵が上手いということと、絵が好きということは根本的に全く違う範疇のことだが、一般的には…そこのところ、一緒くたになっているように思う。要するに絵が上手い人が、絵が好き…とは言えないということだ。おそらく単に絵が上手い人は、他のことをやらせても、そこそこ…周囲の人よりも、なんでもこなしてしまう。反して絵が好きな人は絵以外のことを、あまり上手くできないことが多々ある。私には絵が好きな人に憧れるところがあり、その人たちの作品を見ていると、私にはない画面に向かう純粋さを感じる。私が絵を描くときには、他人から上手く見られたいという邪心が頭をもたげている。絵の好きな人にはそんな虚栄が存在しない。絵が好きな人は純粋だ。純粋な心を持つことは、それだけで素晴らしい財産である。それが財産であると分かる人のなかで解き放ってあげたい。私は絵が上手いと言われる存在で、絵が好きな人の素晴らしさが分かる人間だ。私が過去に見失ってしまった対象に純粋に向かう心を持つ人達が、大空に羽ばたくささやかな手伝いができれば…と思うのだが、今は力不足だ。もう少し私が力をつけることが必要に思う。 輝く才能をもった君に贈る… |