昨晩の仔羊を食す会のメンバーは個性豊かな人たちが集まった。女医さん、薬剤師さん、数万人の受講生をかかえる塾のオーナー、謎の陶芸家、塾のオ-ナーをやたら誉め続ける謎のおじさん、関西で有名なケーキ教室の先生、ヨガ教室を経営する親子、そして小説家を目指すおじさん(私のことだ)等々、癖のある人たちが一つのテーブルを囲んだ。初老の男性が場を仕切った。その点、気を遣ってしゃべる必要もなく、楽と言えば楽だっただろうか・・・。女医さんが私と話したそうだった。実は私も同じ気持ちがあったが、二人だけで話せる雰囲気ではなく、ほとんどしゃべれずにお披露喜となった。 持ち込みのワインについて触れておく。仔羊と言えば常識では赤ワイン・・・。ところがレストランの主人は、あまりお酒が好きでないと言うこともあり、なんとシャンパンを用意していた。だから私の持ち込んだ赤は大正解・・・。例によって、まろやかさを引き出すために食事開始の3時間ほど前に開栓して、準備万端・・・。ちょうど飲み頃の状態でグラスに注ぐことができたまでは良かったが、なにせ一つのテーブル・・・、マダムが皆さんに少しづ入れてあげてもいい・・・と言うもので、いやとも言えず。結局、私自身は1杯半も飲めなかった。皆さんには感謝されたが少し心残りである。料理よりワインのほうが高いんだけど・・・と心のなかでつぶやいた。 突然、ヨガの先生が、私がフランスの映画俳優に似ていると言い始めた。 ケーキの先生がジャン・レノでしょ・・・と言った。ヨガの先生は、違うの・・・だからフランスの映画俳優の・・・(ジャン・レノもフランス人だと思うが)とうとう名前はでてこなかった。私は誰に似ているのだろう・・・ 店を出て、女医さんと少し話しをしておこうと思ったら、謎の陶芸家が血圧を下げるために“根昆布”がいいと、私に集中砲火を浴びせて離してくれないものだから、とっくに彼女は帰ってしまっていた。こんどはいつ会えるだろうか・・・。 |