朝の散歩時に心の中で真っ先に唱える言葉の一つに、“漏水・雨漏り・水漏れがないように…。”というものがある。三つとも同じようなものだが、敢えて同じことを繰り返すには意味があり…、水に関わることは、大きな問題につながるという教訓があるからだ。 水は、普段気が付かない壁や天井の隙間を縫うように入ってきて災いを引き起こす。全く気配をみせず災いが忍び寄ってくるのだ。そんな経験を何度もした。 問題が起こった時に、すぐには原因がわからない。目の前の対応に追われる。災いが過ぎ去ったように思えても、原因が分からない。 目に見えないところが蝕まれているからだ。見えないところの原因をつきとめるために多くの時間と労力とお金を費やし、結局分からないこともあった。 私は、この水に対する経験を、人間関係にも当てはめて教訓としている。 悪人とは思えないからと言って…友達だからと言って…常識がある人に見えるからと言って…他人を自分の懐深くに入れすぎないようにしたほうが良い。あなたも振り返ってみたら、悪い人に見えない人…友人だと思っている人…裏切りそうにない人が、知らぬ間にあなたを苦しめていたことがなかっただろうか? 水の道は、なにも起こっていない時から徐々に引かれる。目に見える災いが起こるずっと以前から浸食が進み始めている。 水は防備の弱いところを突いてくる。人生に対する甘さを嗅ぎ分け近づいてくる。 平和な関係、幸せなひと時の裏で浸食がはじまっている…その気構えを持って生きていることが、災いが起こった時のダメージを小さくするに違いない。 私は、明日も“漏水・雨漏り・水漏れがないように…。”と唱えるだろ。 |